「べらぼう」瀬川が登場!写楽=斎藤十郎兵衛説 採用、蔦重が遺したもの…最終回の内容を解説

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「べらぼう」瀬川が登場!写楽=斎藤十郎兵衛説 採用、蔦重が遺したもの…最終回の内容を解説

一年間、実にあっという間でしたね。蔦重(横浜流星)が九郎助稲荷(綾瀬はるか)のお社を担いで炎の中を駆け抜けたのが、つい先日のようです。

泣いても笑っても、とうとう最終回「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」、果たしてどんなオチがつくのでしょうか……今週も気になるトピックを振り返ってまいります!

源内が天誅!一橋治済のあっけない最期

一橋治済の最期。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

今回は阿波国へと護送される一橋治済(生田斗真)が、封印された長櫃の中で暴れる場面から幕を開けました。

用を足したい、手を縛られてはままならない……両手が自由になった治済は、護送の役人から刀を奪い、まんまと逃走します。

前回「このままで済むはずはない……」と思っていましたが、最終回でここから「傀儡ども」への復讐を果たすのかと思いきや、雷に打たれてあっさり死んでしまいました。

遺体の傍らには、亡き平賀源内(安田顕)と思しき姿が。以前雷獣に化けたとされる伏線が回収されたようです。

かくして巨悪は文字通り天誅を受け、源内に視聴者の喝采が贈られたことでしょう。

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斎藤十郎兵衛「も」写楽に

写楽の絵を楽しみ、自分も描いてみる斎藤十郎兵衛。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

いっぽう一橋治済の替え玉として江戸城内で暮らす斎藤十郎兵衛(生田斗真)は、東洲斎写楽の絵を楽しみ、自分でも描いていました。

蔦重は東洲斎写楽の画号を見ながら、ふと思いつきます。東洲斎とは、斎藤十(郎兵衛)の暗号ではないかと。

そこでみんなに「斎藤十郎兵衛も、写楽に仲間入りさせてはどうか」と提案しました。定説である東洲斎写楽=斎藤十郎兵衛説を、ここで採り入れたのですね。

みんなの快諾によって斎藤十郎兵衛の作品も世に送り出したものの、コピペの全身絵はあまり受けなかったようで、写楽は10ヶ月で姿を消したのでした。

わだかまりが解けた歌麿

「みんなが写楽、それがいい」清々しい面持ちの歌麿。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

斎藤十郎兵衛を写楽に入れるかどうか?最後の決定権を委ねられた歌麿(染谷将太)は言います。

自分が一番骨を折ったと言っても、(みんなの画風を採り入れているため)自分の絵じゃないみたいだし、みんな写楽でいいのではないかと。

これまで「鬼の子」として忌避・疎外されてきた歌麿ですが、写楽としてみんなの仲間に入れてもらえたことで、トラウマが解消できたようです。

蔦重を「義兄(にい)さん」、おていさんを「義姉(ねえ)さん」と呼んだあたりに、その清々しさを感じられました。

このわだかまりが解けた瞬間を描きたいために、脚本は写楽=複数絵師説を盛り込んだのでしょうか。

蔦重、硬軟併せ持った本屋に

蔦重は本居宣長(北村一輝)の著作『玉くしげ』を手に取り、新たな商機を見出しました。さっそく伊勢国は松坂まで面会に行きます。

国粋主義者の本居宣長は写楽の絵を「異国かぶれ」と切り捨て、蔦重との連携を断りますが、松平定信(井上祐貴)からの文を読むと様子が変わりました。

為政者に好都合な儒学の「べき論」ではなく、身の上に生じるすべてを「もののあはれ」と受け容れる日本人の豊かな感性と精神を伝える和学を江戸に広めたい……こうして蔦重は本居宣長をも誑しこみ、硬軟併せ持った本屋として成長を遂げていったのです。

また帰り道中、尾張・三河(愛知県)らしき地域に立ち寄った際、黄表紙読者から「すぐに終わってしまってつまらない」という意見を耳にします。

これがキッカケとなり、江戸に帰った蔦重は馬琴(津田健次郎)と一九(井上芳雄)に長編作品を書くよう働きかけました。やがて馬琴は『南総里見八犬伝』、一九は『東海道中膝栗毛』を生み出したのです。

二人で見つめる彼女の背中

瀬川を見守る平蔵と蔦重。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

長谷川平蔵(中村隼人)に呼ばれ、蔦重はとある駕籠屋の前へやって来ました。

行ってみると駕籠かき(人夫)たちがみんな本を読んでおり、そこの女将は子に恵まれ、幸せにしていると言います。

その後ろ姿は、平蔵と蔦重が本気で惚れた瀬川改め瀬以(小芝風花)でした。駕籠かきたちと楽しく軽口を叩き合っている姿を見て、二人は涙ぐみながら立ち去ったのでしょう。

かつて二十年かけて自分の思いに気づき、紆余曲折の末に一度は一緒になりながら、蔦重を思って姿を消してしまった瀬以。彼女が元気で幸せなら、もう何も言うことはありません。

何も言わずに幸せを願い、初恋に別れを告げたのでした。

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吉原問題の解決策「新吉原御定書」

さて、平蔵が蔦重を呼んだ目的は、別に元カノ観賞会だけではありません。

岡場所に警動が入り、摘発された遊女たちが吉原遊郭へ押し込まれ、より一層無秩序化してしまうことへの警告でした。

「より一層厳しくなろうが、時には蓮の花が咲く泥沼であってほしい」

そんな平蔵の願いを実現するため、また故郷の吉原を守るため、蔦重たちは「新吉原町定書」を作ります。

第1回放送「ありがた山の寒がらす」からずっと、吉原のためを思いながら駆け抜けてきた蔦重にとって、生涯の集大成と言えるでしょう。

81ヶ条の定書によって遊女や芸者たちの扱いが(ある程度は)守られ、吉原遊郭も後世まで命脈を保つこととなるのでした。

最期まで書を以て……

最期まで書を以て世を耕し続けたかった蔦重。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

かくして吉原は守られ、本業の方も大忙し……まさに順風満帆となりつつあった蔦重ですが、歌会の席で脚気に倒れてしまいます。

当時は脚気の死亡率が高く、江戸患いと呼ばれるように、江戸から離れると治るとも言われました。もちろんこれは食事から摂る栄養バランスの問題です。

必死に養生を勧めるおていさんですが、蔦重は自分の死さえも商売のネタにしようと譲りません。

最期まで「書を以て世を耕す」ことを諦めなかった蔦重は、絵師や戯作者を総動員してありったけの作品を世に送り出そうと奮闘しました。

山東京伝(古川雄大)・北尾重政(橋本淳)・大田南畝(桐谷健太)・勝川春朗(くっきー!)・朋誠堂喜三二(尾美としのり)……そして歌麿。

金太郎を慈しむ山姥の姿絵を見せ、続きが見たいと言う蔦重に「じゃあ、死ぬな」と笑いかけ、肩を叩く歌麿。「また来る」と言って障子を閉めた後、一瞬立ち止まった胸中は察するに余りあるものです。

わだかまりは解けても、やはり想いはくすぶり続けていたのかも知れませんね。

ついに九郎助稲荷が蔦重と対面

ついに蔦重と対面する九郎助稲荷。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

石川雅望 訳『絵本二十四孝』 歳旦狂歌集『柳の絲』 曲亭馬琴『楠正成軍慮智輪』 蔦唐丸『身体開帳略縁起』 山東京伝『和荘兵衛後日話』 傀儡子『武者合天狗俳諧』

年が明けて寛政9年(1797年)、店先に「冥土に急用ができたので」と暇乞いの張り紙で客を呼び、ずらり並んだ新作たちで荒稼ぎした蔦屋耕書堂。ちゃっかり自分(蔦唐丸)の黄表紙も入っていますが、出来栄えの程は……どうでしょう、まぁ。

さぁそんな5月5日の晩に、蔦重は夢か現(うつつ)か……おていさんに禁じられていたはずの煙草を独りくゆらせていました。

拍子木の音と共に現れたのは、本作の語りを務めていた九郎助稲荷(綾瀬はるか)。これまでとは打って変わって、何とも神妙ないでたちです。

かつて助けてもらったお礼に何でも一つだけ教えてくれるそうですが、蔦重はうっかり「本当か?」と聞いてしまいました。「はい」と答えてくれましたが、これで一つの権利を使ってしまったため、本当に聞きたかった「百年後の髷はどうなってる?」は聞けずじまいとなってしまいます。

ともあれ九郎助稲荷がやって来たのは、蔦重にお迎えを告げるため。明日の昼九つ・午の刻(要するに正午12:00)に拍子木の音でお迎えに来るから、別れの支度をしておくように……気づくと朝になっていました。

二代目はみの吉に

いつも蔦重とおていさんを支え続けたみの吉。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

さて残り半日をどう過ごしたらよいものか……蔦重は一応みんなを呼びますが、誰も来てくれません。

そんな中で、蔦重とおていさんは死後の段取りについて打ち合わせをしていました。取引先のリストや商売の段取り、果ては戒名に至るまで用意周到、ここでもおていさんは才能を発揮します。

さて二代目蔦屋重三郎は誰にしようか……どうやらみの吉(中川翼)がまんざらでもない様子。これまで熱心に勤めてくれたし、キャリア・能力的に適任と言えるでしょう。毒饅頭で死ななくて、本当によかったですね。

実際の二代目蔦屋重三郎は勇助という番頭だったそうですが、この際そんなことは置いておきましょう。

「日の本一のべらぼう」蔦重が遺したもの

蔦重とおていさん。色々あったけど、やはり最高の二人だった。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

おていさんが万一に備えてまとめ上げた覚書。彼女は「こんなものは屑屋(くずや。リサイクル業者)に売ってしまえればいいのに」と言いますが、もしそんなことをしたら大変な情報漏洩になりかねません。

それはそうと、本は屑屋に売ればただの屑ですが、本を本として読めば本も本望……そんな結婚前の思い出話に花が咲きました。

果たして自分は陶朱公のように生きられただろうか。いや……自嘲気味に振り返る蔦重に、おていさんは言います。

今や江戸だけでなく、日本全国で黄表紙や狂歌が楽しまれている。黄表紙や狂歌で腹がふくれることはないが、心を満たすことができる。心が満たされれば、人は優しく生きられるだろう。目の前が明るくなるだろう。次は自分が誰かの心を満たそうと思うようになるかも知れない。そういう笑いという富を、日の本中に振る舞ったのではないだろうか。

「雨の日も風の日も戯け切られたこと、日の本一のべらぼうにございました」

どんな状況でも心の富を求め、戯けた笑いで現実に立ち向かう精神こそ、「日の本一のべらぼう」である蔦重が世に遺したものと言えるでしょう。

やっぱり屁!コール&拍子木のオチ

拍子木オチで事切れた蔦重。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

おていさんと二人で微笑み合った後、蔦重は苦しんだ後に意識を失います。

やっとみんなが駆けつけると正午の鐘が鳴り響き……もう蔦重は呼ばれてしまったのでしょうか。諦め切れない大田南畝が「呼び戻すぞ!」と号令をかけると、歌麿が「へ?」と一言。

そう。みんな大好き?おなじみ屁!コールです。

「俺たちは、屁だ~!」

みんな泣きながら屁!屁!屁!屁!……おていさんから蔦重を託された次郎兵衛(中村蒼)義兄さんが、そっと蔦重の髷を慈しむように撫でる芸の細かさも見どころでした。

すると蔦重がうっすら目を開け、みんな奇跡が起きたか?と喜んだのも束の間。

蔦重「拍子木……聞こえねえんだけど」

一同「「「へ?」」」

と同時に拍子木の音でオチがつき、蔦重は息絶えたのです。そしていつものオープニング+紀行……という何とも落語じみた幕引きとなりました。

最後の最後で「そうきたか!」と膝を打った視聴者も少なくないのではないでしょうか。

次回作「豊臣兄弟!」は来年1月4日スタート!

撮影修了。一年間、ありがとうございました!NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

さて来年の話をすると鬼が笑うなんて言いますが、来年も、鬼も仏もみんな笑って福が来る一年にしたいですね。

という訳で令和8年(2026年)NHK大河ドラマは「豊臣兄弟!」。兄・豊臣秀吉に振り回されながら必死に支え、ついに天下まで獲らせてしまったという豊臣秀長(小一郎)が主人公となります。

3年ぶりの戦国大河は、果たしてどんな乱世が描かれ、豊臣兄弟はどのように駆け抜けるのでしょうか。来年の大河ドラマも、楽しみにしています!

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