初詣はまず氏神様から…世界最大級の宗教行事「初詣」現代スタイルは鉄道会社が広めた?
年の初めに神社仏閣へお参りして、ゆく年の無事に感謝したり、くる年の無事を祈願したりする初詣。日ごろあまり信心深くない方でも「初詣くらいは……」と足を運ぶ影響か、その人数は世界最大級の宗教行事と言われています。
ところで初詣の習慣は、いつから始まったのでしょうか。今回は初詣の歴史をたどってみました。
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初詣の起こりは平安時代ごろと考えられ、当初は大晦日の晩から元日の朝にかけて氏神様に参籠する「年籠り(としごもり)」であったと言われます。要するに、年をまたいで神社に籠もって祈祷する習慣だったのですね。
年籠りは家長が一家を代表して行い、あくまでも真剣な祈祷でした。家族や友達とワイワイ楽しむものではありませんでした。
やがて時代が下ると年籠りを大晦日の「除夜詣(じょやもうで)」と元日の「元日詣」に分かれ、この元日詣が現代における初詣の原型になったそうです。
一説には源頼朝が鶴岡八幡宮へ早朝参拝したことで、元日詣が世間に広まったとも言われています。
卯尅。前武衛參鶴岳若宮給……
※『吾妻鏡』第二巻 治承5年(1181年)1月1日条
【意訳】午前6:00ごろ、頼朝(前武衛)が鶴岡八幡宮の若宮へ参拝された。
江戸時代になると元日詣は氏神様だけでなく、自宅から見て恵方(えほう。縁起の良い方角)にある神社仏閣へ参拝する「恵方参り」なども流行ったそうです。
現代スタイルは鉄道会社が広めた?
現代のように好きな神社仏閣を選んで参拝するスタイルが広まったキッカケは、明治時代の鉄道会社の陰謀……もとい集客キャンペーンでした。
明治時代末期には初詣が新春の季語として歳時記に採用され、大正時代には初詣を詠んだ俳句も登場します。
有明の 月かげふみて よろづ民 代代木の宮(明治神宮)に はつまうで(初詣)する
※大正10年(1921年)歌会始にて、伯爵・庭田重行
ただし初詣とは「その年に初めて神社仏閣へ参拝する行為」を指すため、考え方によっては大晦日に参拝しても、その年初めての参拝であれば初詣とも言えるでしょう。
ただ一般的には正月三が日や松の内の参拝がイメージされ、また神仏に対して旧年の感謝と新年の祈願をすることから、なるべく早いに越したことはありませんね。
初詣は氏神様からがおすすめ
最近はパワースポットブームで、有名な神社仏閣へ初詣に行く方が多いようです。
それも悪くはないものの、まずは自分が住んでいる地元の氏神様へお参りするのがよいでしょう。
昔から「遠くの親戚より近所の他人」とも言いますし、日頃から見守ってくださる氏神様の方が、より霊験あらたかというものです。
もちろん、氏神様へお参りした上で、行きたい神社仏閣へ足を運ぶのは悪くありません。
たまに「神社とお寺のどっちに行けばいい?」「どっちに行った方がいい?」「両方行くべき?」などという質問を受けます。
基本的には行きたいところへ行けばいいし、神社と仏閣で優劣はありません。
あなたの身近な神様たち…氏神様、鎮守様、産土様それぞれの違いを紹介 終わりに今回は初詣の歴史について紹介してきました。長い歴史に対して、現代のスタイルが確立されたのは比較的最近だったのですね。
皆さんは令和8年(2026年)、どこへ初詣に行きますか?本年もよい年となりますように。
※参考文献:
五味文彦『全集 日本の歴史5 躍動する中世』小学館、2008年4月 平山昇『鉄道が変えた社寺参詣 初詣は鉄道とともに生まれ育った』交通新聞社新書、2012年10月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

