『豊臣兄弟!』豊臣滅亡へつながる茶々との出会い、小一郎と慶(吉岡里帆)の始まり…第12回振り返り・解説
本圀寺の変を経て、機内における勢力基盤を磐石なものとした織田信長(小栗旬)。あくまで室町将軍である足利義昭(尾上右近)に忠義を尽くす形をとりますが、見え隠れする野心に対立は避けられそうにありません。
いっぽう京都奉行を拝命し、激務に奔走する藤吉郎秀吉(池松壮亮)は、万事そつなくこなす明智光秀(要潤)と思いの丈を交わしていました。
信長の命で小谷城へ同行し、お市(宮崎あおい)と再会した藤吉郎と小一郎(仲野太賀)は、命からがら岐阜へと逃げ帰って来ます。
しかし京都での女遊びが寧々(浜辺美波)にバレてしまい、藤吉郎は平謝りで和解。そして小一郎は信長の命により、慶(吉岡里帆)を娶るように命じられます。
お市と浅井長政(中島歩)、藤吉郎と寧々、そして小一郎と慶……三組の男女が物語をつむいだ第12回放送「小谷城の再会」今週も気になるトピックを振り返ってまいりましょう。
二条御所について
二条御所にて、信長の思惑を警戒する義昭と光秀。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
公方様の御身に危険がないように……と立派な二条御所を造営し、忠誠を示した信長。しかしその実態は信長による監視、いや籠の鳥と言った方がよいかもしれません。
義昭たちに知らされていない抜け穴があったり、監視用の梯子があったり……実際にそのような造りになっていたかは史料に記録がないようです。
※二条御所について
【豊臣兄弟!】織田信長が足利義昭のために築いた“最初の二条城”とは?天下人の石「藤戸石」の悲劇後に義昭と信長が対立すると、義昭は二条御所に立て籠もりました。信長はこれを完全包囲して圧力を加え、進退窮まった義昭は一度和議を結んで時間を稼ぎ、槇島城へと移っています。
義昭追放後も信長はしばらく二条御所を残しており、義昭と和解したら再び迎え入れようとしていました。
やがて義昭は中国地方の毛利輝元に庇護され、和解の希望を失った段階で二条御所は解体されたようです。
秀吉、京都奉行に
蹴鞠の場面で、カッコよく秀吉を救う光秀。完璧に見える彼にもコンプレックスが……。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
京都奉行となったはいいものの、京都人の礼儀作法を知らない田舎者ゆえ洗礼を受けた秀吉。頼みの丹羽長秀(池田鉄洋)に逃げられ、見ていて気の毒になるくらい失敗ばかり……。
その隙をついて光秀は秀吉と信長の離間を図りますが、秀吉の忠義は揺らぎません。そんな秀吉の姿に光秀は胸襟を開いて、辛い過去を語りました。
信長に対する秀吉の忠義は、義昭に対する自分の忠義と同じ……そのため、秀吉を信長から引き離すのはほぼ不可能と判断したのではないでしょうか。
後に謀叛を起こして信長を討った光秀と、その光秀を討つことになる秀吉との関係が今後どう描かれるのか、注目しています。
小谷城にて
箱の中から豊臣兄弟。あまりのバカバカしさにお市も降参。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
遊女と寝ていた秀吉を踏み起こして「大戦」に駆り出した信長。果たしてその大戦とは、お市のご機嫌取りでした。怖いものなしに見える信長も、妹だけには弱かったのかも知れませんね。
豊臣兄弟を「お土産」にお市は降参、秀吉に娘の茶々(後の淀君)を抱かせてくれました。豊臣の世を創った者と終わらせた者が因縁の出会いを果たします。
豊臣秀吉の側室・淀殿(茶々)は浅井長政の実子ではなかった!?お市の方、連れ子説を検証する義兄らの訪問を快く出迎える浅井長政。しかし浅井久政(榎本孝明)はもちろん、家臣の遠藤直経(伊礼彼方)も快く思っていないどころか、敵意を抱いているようです。
【豊臣兄弟!】織田信長を狙い続けた浅井家臣・遠藤直経(伊礼彼方)とは?その生涯と末路をたどるそこへやって来た朝倉景鏡(池内万作)は、長政の嫡男・浅井万福丸(まんぷくまる)を人質に要求しました。
これが後に長政を織田家と朝倉家の板挟みにし、信長を裏切らせる伏線となるようです。
密談を交わしているところへ信長が「厠を探していた」と乗り込み、「引っ込んでしまった」と笑い飛ばす様子……どこかで見聞きしたような……。
ともあれ信長主従は窮地を脱し、岐阜へと逃げ帰ってきたのでした。
寧々の毒
寧々に詫びる秀吉。しかしこの後も、秀吉の女漁りは続くのであった。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
秀吉の女好きは広く知られており、これまで大河ドラマや時代劇で、寧々の嫉妬や悲しみは何度も演じられています。
が、寧々が毒に言及して「一緒に死ぬ」と言い出したケースは、今回が初めてではないでしょうか。
気持ちは解らなくもありませんが、しかし重いなぁ……そして寧々はみんながいる場の空気を壊すような言動を控えるのでは、と思ったものの、解釈違いも楽しんでナンボです。
また「遊びは二度と許しませんが、もし本気であれば遠慮なくどうぞ。私は子供が生めないかも知れませんから」と、これまた重い発言をぶちかましました。
寧々が嫉妬していたのは、京都の遊女たちではなく、小谷城で「抱いた」茶々に対してだったのかも知れませんね。
ちなみに「お前に毒を盛った」と嘘をついて、その反応を見る展開は、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でも見られました。
「嫁をとれ」信長が命じた相手は?
信長から娶るよう命じられた慶は、安藤守就の娘だった?NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
秀吉夫婦が「雨降って地固まる」?となった一方、小一郎はいまだに亡き直(白石聖)が忘れられません。
そんな中、ふと出会った慶(吉岡里帆)を娶れと信長からの命令。後に正室となる彼女は、安藤守就(田中哲司)の娘という設定みたいです。実際は出自不詳ながら、このくらいの時期に結婚したと考えられています。
果たして二人はどんな関係を築いていくのか、今後も注目していきましょう。
第13回放送「疑惑の花嫁」
第13回放送「疑惑の花嫁」いったい彼女にどんな疑惑が?NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
あさひ?「そのお嫁さんどんな人なの?」
寧々「女狐(めぎつね)だと」
慶「織田の侍だということが許せませぬ」
信長「一乗谷へ向かう」
長政「織田にも朝倉にもつかぬ!」
次週は慶と小一郎の関係に焦点が当てられ、歴史的には信長の朝倉攻めが行われるようです。
浅井長政は織田と朝倉の板挟みに、そして狂乱の態で岩を斬りつける義昭を前に、光秀は……果たしてどんな展開が待っているのか、慶にはどんな疑惑があるのか、次週も目が離せませんね!
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