2024年紅麹事案 研究解説「「我々紅麹業界に何が起こったか」紅麹が誤解される「構造的理由」—— 食品・食品添加物・医薬品という三つの顔が生む混乱」 (2/4ページ)

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 今回の事件で弊社も225社実名公表の対象となった。しかし弊社が使用していた品番5P-Dについては37ロットすべてがプベルル酸陰性であった。それでも名前が公表された。

 なぜこのような冤罪が起きたのか。その根本には「紅麹とは何か」という基礎的理解の欠如がある。

2 紅麹が持つ「三つの顔」

 日本の食品法規において、「紅麹」は以下の三つの全く異なる文脈で登場する。

 【第一の顔:食品(伝統的発酵食品)】
 Monascus属カビを米に繁殖させた発酵食品。数千年の歴史を持つ東アジアの食文化の一部であり、豆腐よう・老酒・紅糟肉など伝統食材として食卓に根ざしている。弊社が製造する倉敷ソーセージはこの文脈に属する。

 【第二の顔:食品添加物(紅麹色素)】
 Monascus属カビが産生する赤色色素を抽出・精製したもの。漬物・ハム・菓子などに着色目的で使用される。食品表示基準Q&Aおよび既存添加物名簿において、食品添加物ベニコウジ色素の簡略名として「紅麹」が現在も公式に認められており、食品原料としての紅麹と表示上の区別がつかない状態が続いている。

 【第三の顔:医薬品成分(モナコリンK)】
 一部のMonascus属カビが産生するモナコリンKは、HMG-CoA還元酵素阻害作用を持つ。これはFDAが1987年に承認したスタチン系医薬品「ロバスタチン」と同一物質である。小林製薬が販売していた「紅麹コレステヘルプ」はこの文脈に属する製品である。

3 「略称」が生んだ25年間の混乱

 食品表示基準Q&Aおよび既存添加物名簿において、食品添加物ベニコウジ色素の簡略名として「紅麹」が公式に認められている。これは過去の規定ではなく、2024年の紅麹事件後も制度上は変更されていない現行ルールである。

 このルールが、長年にわたって「紅麹=食品添加物(着色料)」という誤解の温床になってきた。

 2024年の紅麹事件でも、多くのマスコミがこの制度的混乱をそのまま報道した。
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