2024年紅麹事案 研究解説「「我々紅麹業界に何が起こったか」紅麹が誤解される「構造的理由」—— 食品・食品添加物・医薬品という三つの顔が生む混乱」 (3/4ページ)
その結果、伝統的な食品用紅麹を使用していた弊社のような製造業者が、小林製薬の医薬品成分含有サプリメントと同一視され、実名公表という冤罪を受けることになった。
4 誤解はマスコミだけではない
この誤解は一般の方やマスコミだけに限らない。行政担当者・食品産業の専門家・大学の研究者でさえ、紅麹の三つの顔を混同するケースが現実に起きている。
実は弊社は2012年にも同様の誤解に基づく攻撃を受け、解決までに2年を要した経緯がある。その詳細は次回でお伝えする。
醤油や味噌と異なり、紅麹を日常的に扱う食品製造業者は国内で極めて少ない。この希少性が、行政・専門家・マスコミの無理解を温存させてきた制度的問題でもある。
5 今回の事件が問いかけること
厚生労働省は収去(食品衛生法第28条に基づく行政独自のサンプル採取)を一切実施しないまま、プベルル酸を原因物質と断定し225社を実名公表した。この事実は、大阪市保健所長・中山浩二氏の令和8年3月30日付け回答書(大大保8639号)において被告発人自身が署名入りで認めている。
なぜ行政はこれほど容易に断定できたのか。
答えの一つは、「紅麹」という言葉の三重性に対する理解の欠如にある。食品用紅麹と医薬品成分含有サプリメントを区別する基礎的知識がなければ、小林製薬の製品に起因する問題を紅麹全体の問題として断定することへの抵抗感が生まれない。
紅麹文化の名誉回復は、この基礎的誤解を正すことから始まる。
【次回予告】:2012年、「食の専門家」が「倉敷ソーセージは食品添加物使用で無添加表示違反」と主張した事件。解決までの2年間と、2度にわたって弊社を救った備中保健所・原田さんの話。