2024年紅麹事案 研究解説「我々紅麹業界に何が起こったか」——岡山県と紅麹文化、そして崩壊——なぜ私は紅麹を使うのか、そして今、文化が消えようとしている (2/4ページ)
弊社・株式会社薫製倶楽部が倉敷ソーセージに紅麹を使用するようになったのも、この流れの中にある。
2 なぜソーセージに紅麹を入れるのか
ほとんどの人がご存知の「塩麹」は、黄麹(Aspergillus属)を使って作る。肉に塩麹を漬けると柔らかくなり、旨味が増す——これはよく知られた料理の知恵だ。
弊社が選んだのは、たまたま赤い麹だった。
紅麹(Monascus属)も同じく麹菌の一種であり、肉を旨くする作用は黄麹と共通している。ただし後味とコクが異なる。黄麹に比べて、紅麹由来のコクは深みがあり、余韻が長い。微妙な差ではあるが、確かに違う。
その結果として生まれた倉敷ソーセージほそびきは、他にない味として評判を得てきた。紅麹を着色目的で使っているのではない。味のために使っている。
岡山県の他の紅麹使用企業の多くも同様である。味噌・酢・漬物に紅麹を使っている企業がほとんどであり、着色目的ではなく、発酵・風味・食文化としての使用だ。
3 225社公表——岡山県だけで15社
2024年3月、厚生労働省は紅麹原料使用企業として52社+173社、計225社を実名公表した。
そのうち岡山県の企業は15社であった。都道府県別で見れば、これは多い部類に入る。
繰り返すが、弊社が使用していた品番5P-Dについては37ロット全てがプベルル酸陰性であった。それでも実名が公表された。岡山県の他の14社も同様に、多くは食文化としての紅麹使用企業であり、健康被害との因果関係は存在しない。
この公表の根拠となった「プベルル酸が原因物質である」という断定が、収去(食品衛生法第28条に基づく行政独自のサンプル採取)を一切行わないまま行われたことは、大阪市保健所長・中山浩二氏の令和8年3月30日付け回答書(大大保8639号)において被告発人自身が署名入りで認めている。
4 今、紅麹文化が崩壊している
2024年3月の実名公表から2年が経とうとしている。
225社のうち、紅麹製品を再発売できている企業は、私が知る限り全国で10社にも満たない。