2024年紅麹事案 研究解説「我々紅麹業界に何が起こったか」——岡山県と紅麹文化、そして崩壊——なぜ私は紅麹を使うのか、そして今、文化が消えようとしている (3/4ページ)

バリュープレス



 理由は複合的だ。

 第一に、「紅麹」という言葉に対する社会的評判が著しく悪化した。消費者の信頼を失った製品を再び市場に出すことは、中小食品メーカーにとって大きなリスクを伴う。

 第二に、弊社を含む多くの企業が使用していた紅麹原料の供給元であった小林製薬が、紅麹事業から撤退した。代替供給者を探すことは容易ではなく、製造継続の障壁になっている。

 第三に、行政の判断が揺れている。プベルル酸の断定根拠が存在しないにもかかわらず、制度的な「名誉回復」のプロセスが存在しない。企業は再発売の法的リスクを判断できないまま、時間だけが過ぎている。

 岡山県の紅麹使用企業15社のうち、現在も紅麹製品を販売しているのはごく少数だ。2000年代に40品目を超えた岡山県の紅麹食品文化は、根拠なき断定によって静かに消えつつある。

 これは岡山県だけの問題ではない。日本の紅麹食文化全体が崩壊しつつある。

5 それでも、守り続ける

 弊社は奇跡的に再発売を実現した。現在の紅麹原料の仕入れ先であるマキ屋フーズをはじめとする数少ない仲間たちがいるからだ。

 しかし現実は厳しい。倉敷ソーセージほそびきの売上は、公表前の半分強にとどまっている。

 それでも続けるのは、岡山県の紅麹食文化を守りたいからだ。数百年の歴史を持つ発酵食文化が、根拠なき行政の断定によって消えることを、受け入れることができないからだ。

 本訴訟・本告発は、損害賠償の請求であると同時に、紅麹食文化の名誉回復の闘いである。

【次回予告】2024年3月、実名公表の日——あの日、弊社に何が起きたか。
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