2024年紅麹事案 研究解説「我々紅麹業界に何が起こったか」自主回収という名の「強制」——2024年3月22日〜25日、弊社に何が起きたか—— (2/4ページ)

バリュープレス

紅麹が入った商品の売上は全体の約3割を占め、製造では3回に1回は紅麹を使っていた。紅麹は弊社の事業の根幹だった。
 それが3月22日、金曜日の夜18時だった。
2 午後6時、1枚のFAX——記者会見の3分前に
 小林製薬からFAXが届いた。たった1枚だった。
 後で知ったことだが、あれは小林製薬が記者会見を開く3分前のことだったらしい。会見の3分前に、取引先にFAX1枚を送りつける。金曜日の夜18時に。これほど取引先を軽視した対応があるだろうか。
 たまたまその夜、弊社の代表が会社に立ち寄っていた。FAXに気づいたのは夜9時頃だった。
 担当者に電話をかけた。「回収してほしい。ロットは違うけれど」——それだけだった。「製法が違う」とは、一言も言わなかった。
(※後に判明したことだが、弊社が仕入れていた紅麹原料「コレステヘルプ」向けとは、製造工程が根本的に異なるものだった。もしあの夜、「製法が違います」という一言があったなら、弊社が自主回収を検討する理由は何もなかった。)
3 3月23日(土)——「自主回収はしない」
 翌23日、弊社では社内で対応を協議した。同じように紅麹を食品に使用している企業にも問い合わせた。
 弊社の結論は明快だった——「自主回収はしない」。
 理由はHACCPに基づく衛生管理だ。弊社の製品は適切な衛生管理のもとで製造されており、問題のある原料ロットは使用していない。回収する科学的・衛生的根拠がない。
 そもそも、もし小林製薬の紅麹原料に本当に問題があったならば、弊社こそが一番最初にそれを気づき、指摘していたはずだ。売上の3割・製造3回に1回という頻度で紅麹を使い続けてきた弊社が、何の異常も感じず、製品への苦情も一件もなかった。それが現実だった。
 その判断のもと、予定していたドラッグストアへの初納品も、予定どおり実施した。
 ただ、取引先1店舗から「自主回収はしないのか」との問い合わせがあった。テレビや新聞での紅麹事件の報道が日に日に増していた。万一に備えて、紅麹の代替原料をネットで探し始めた——そういう段階だった。

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