2024年紅麹事案 研究解説「我紅麹業界に何が起こったか」企業名公表がもたらした取引破壊と風評の連鎖——2年後も消えない「紅麹」の烙印—— (2/4ページ)
翌日から、弊社の直接取引先2社より、直接電話で「取引をやめる」との通告を受けた。理由の説明はなかった。「紅麹を使っている企業」というレッテルだけで、関係が断ち切られた。
その後、取引先10社のうち1社は、主力商品の販売が継続できなくなったことによるロット割れの問題が生じ、実質的に取引が消滅した。
2 大手卸からの「確認の電話」——そして取引停止
企業名公表後、当時取引が止まっていたところを含め、すべての大手卸から「紅麹を使用している企業か」という確認の電話があった。
その電話の後、そのほとんどが取引を停止した。
「問い合わせ」は実質的に「通告」だった。答えが「はい」である限り、結果は決まっていた。
3 再発売の遅延——規格検査・賞味期限検査のやり直し
紅麹製品を再発売するにあたり、弊社は規格検査・賞味期限検査をやり直すことを決断した。
理由は単純だ。再検査なしには、取引先に対して納得のいく説明ができない。弊社の製品に問題がないことを、証拠として示す必要があった。
この判断により、再発売は約1か月遅れた。
4 再発売後の現実——半分の店、下がった販売単価
倉敷ソーセージほそびき(マキ屋フーズ製紅麹使用)は再発売にこぎ着けた。しかし取引してくれる店は、事件前の半数にとどまった。
さらに、再取引に応じてくれた店でも、販売単価が減少したところが多かった。
売れる量も、売れる値段も、落ちた。それが再発売後の現実だった。
5 2年後の今——「紅麹」という烙印
2年が経過した。当時取引がなくなった企業に、改めて取引を依頼している。
しかし今でも「紅麹のイメージが悪い」という理由で、取引再開を断られることが多い。
弊社が被った損害は二重構造になっている。一つは「紅麹そのもの」の信用棄損。もう一つは「紅麹を使っていた企業」としての、弊社自身の信用棄損だ。
弊社の全37製品ロットはプベルル酸陰性だった。弊社の製品に問題はなかった。それでも、この烙印は今も消えていない。これは冤罪である。