その胃痛・腹痛、生活習慣の乱れが原因かも? 消化器専門医が教える“胃腸を守る習慣” (2/2ページ)

ストレスで起こる「脳腸相関」とは
検査では異常がないのに、胃痛や腹痛、便秘や下痢が続く――。そんなときに関係するのが、脳と腸が影響し合う「脳腸相関」だ。ストレスがかかると交感神経が優位になり、胃では食べ物が停滞して胃もたれや吐き気が起こり、腸では動きが速くなれば下痢、遅くなれば便秘につながる。
さらに、腸の感覚が敏感になることで、通常なら気にならないガスや動きも強い痛みとして感じやすくなる。機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群(IBS)は、こうした仕組みと深く関わっているという。安江先生は「気のせいではなく、体の明確な反応です」と説明する。
症状がなくても、健診で見つかる病気がある見逃したくないのが、健康診断や人間ドック、便潜血検査の重要性だ。便潜血検査をきっかけに大腸ポリープや大腸がんが見つかることは少なくなく、胃カメラでは胃炎や胃潰瘍、早期胃がん、ピロリ菌感染が分かることもある。血液検査から脂肪肝や肝炎が見つかるケースもあるという。
「症状がない=健康」とは限らない。特に便潜血陽性を放置しないことが大切です、と安江先生。早期発見できれば、体への負担が少ない治療で済む可能性も高まる。

今日からできる、胃腸を守る習慣
予防の基本は、特別なことではなく生活の立て直しだ。食事は「規則正しく・バランスよく・ゆっくり」。睡眠はできるだけ同じ時間に寝起きし、生活リズムを整える。軽いウォーキングやストレッチでも腸の動きは変わるという。ストレス対策として、深呼吸や趣味の時間を持つことも大切だ。
一方で、症状が2週間以上続く、体重減少や血便がある、便潜血陽性を指摘された――そんなときは早めに消化器内科へ。日々の小さな積み重ねが、将来の大きな病気を防ぐ第一歩になりそうだ。
取材協力
天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック
https://www.tennoji-naishikyo.com/
院長 安江 千尋 先生(消化器内科専門医)
日本消化器病学会 専門医・指導医 / 日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医 / 日本内科学会 総合内科専門医