「倒れるときは前向きに」 シニア劇団「すずしろ」、第16回本公演『葉ごろも』を扇町ミュージアムキューブにて上演 (2/3ページ)
■最新作『葉ごろも』について
~シニア劇団の等身大を描く、笑いあり涙ありの青春群像劇~
『葉ごろも』は、劇団「すずしろ」の創立10周年を記念して、団員たちが力を合わせ、試行錯誤を重ねながら作り上げたオリジナル作品です。
初演は2014年10月25日・26日、梅田・HEP HALLにて上演。その後、ニューヨーク第2回公演に向けた英語版の上演や、2020年の無観客オンライン配信『HAGOROMO』など、さまざまな形で上演されてきました。
■作品に込められた問い
「死んだあとまで、自分らしくいられるものなのか?」
本作が描くのは、単なるシニア劇団の奮闘だけではありません。
そこには、「死んだあとまで自分らしくいられるものなのか」という、人間にとって避けられない問いがあります。ひとりひとりの生き方が異なるように、死への向き合い方もまた、それぞれに異なります。
「平均」では語ることのできない人生の形が、稽古場の小さな衝突や沈黙、笑いの中から浮かび上がります。
七福神の華やかな衣装や、シニア劇団ならではの可笑しみを交えながらも、その奥には、老い、別れ、居場所、仲間との一体感、そして舞台に立ち続けることへの切実な思いが流れています。
喜劇とも悲劇とも言い切れない、けれど確かに人生の哀歓に触れるヒューマンドラマです。
■あらすじ
ここは、あるシニア劇団の稽古場。
公演が近づき、団員たちは七福神の衣装をつけて稽古している。セリフは覚えられない。台本の文字が小さくて読めない。暴走する役者もいる。それでも、シニアならではの悩みを抱えながら、これまで何とか乗り越えてきた。
ところが、主演を務める二人の様子が最近おかしい。
息子の転勤で悩む雪絵。
身体に異変を感じる花子。
これまで舞台が生きがいだった二人は、「降板する」とはなかなか言い出せない。やがて不協和音は広がり、劇団全体に険悪な空気が漂い始める。
はたして、芝居の幕は上がるのか。
死んだあとまで、自分らしくいられるものなのか。