「老化スピード」は食品で変わるのか 森永乳業が日本初の臨床試験結果を発表 (3/3ページ)

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しかし、ヒトの腸内に適応したビフィズス菌(HRB:Human-Residential Bifidobacteria)は、このインドールを、腸内細菌叢の改善やバリア機能の向上、抗炎症作用を持つ有用物質である「ILA(インドール-3-乳酸)」へと変換する能力を持つ。

実際に試験管内および臨床試験においても、BB536の摂取後、インドールの減少とILAの増加との間に負の相関が認められたという。

これにより腎機能への負担が軽減され、全身の組織で起こる炎症や酸化ストレスの増悪が抑えられた結果、老化速度を示す指標の変化に関与した可能性があるという。

第二のメカニズムは、老化を進行させる主要な要因の「慢性的な炎症反応」の制御である。加齢に伴い、体内では微弱な炎症が持続しやすくなり、これが全身の健康に悪影響を及ぼす。森永乳業の研究では、ビフィズス菌BB536の成分が免疫細胞(単球)にあらかじめ働きかけることで、その細胞の「性格」を変化させることが明らかになった。

これにより、その後に細菌などの刺激を受けても、過剰な炎症性物質を産生しにくい穏やかな状態へと免疫細胞を導く(教育する)ことができる。単に炎症反応を抑えるだけでなく、免疫細胞そのものを炎症を起こしにくい性質へと変化させる点について研究チームは、老化に伴う慢性炎症の制御につながる可能性があるとみている。

ビフィズス菌は、長い進化の過程でヒトの腸内環境に適応してきたと考えられている。内藤教授が指摘するように、健康長寿の条件には身体活動や適切な食事、社会的つながり、そして個々人の生きがいなどが挙げられるが、今回の結果は、ビフィズス菌BB536配合ヨーグルトを取り入れた生活習慣改善が、老化速度を示す指標に影響する可能性を示した。

食品による老化制御は、単なる寿命の延長ではなく、健康寿命の延伸という社会的な要請に応える有力な手段となる。今後、ビフィズス菌単独でのさらなる効果検証や、詳細なエピゲノム解析が進むことで、日常生活における老化制御の実用化がより一層加速することが期待される。

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