『豊臣兄弟!』お市と勝家、まさかの天守ダイブ!はあり得ない?実際の死に様と三姉妹のその後などを考察

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『豊臣兄弟!』お市と勝家、まさかの天守ダイブ!はあり得ない?実際の死に様と三姉妹のその後などを考察

今回はお市(宮崎あおい)と柴田勝家(山口馬木也)の最期が重点的に描かれ、傷心の小一郎(仲野太賀)と羽柴秀吉(池松壮亮)が立ち直るまでがコミカルに描かれていました。

なかなか斬新な演出により、早くもネット界隈でも話題が沸騰しているようです。果たして実際はどうだったのでしょうか。

それでは第33回放送「北庄(きたのしょう)城の別れ」気になるトピックを振り返ってまいります。

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戦国武将が飛び降り自殺をしない理由

大河史上初?天守閣からの飛び降り自殺を図るお市と勝家。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

「これが、戦じゃ」

お市の自害を寸前で押しとどめ、手に手をとりながら天守閣を上っていく勝家。お姫様を守る騎士様よろしく奮戦した結果、二人仲良く天守閣から飛び降りる場面が視聴者に大きな反響をもたらしています。

実際の勝家は、まだ残っていた家臣たちと最後まで奮戦し、燃え盛る天守閣で自害して果てました。まずはお市をはじめとする妻子を斬り、その後に腹を十文字に掻っ捌く壮絶な死に様を見せています。もちろん多くの家臣たちが勝家に殉じました。

公共放送で内臓が飛び散ったり、ましてや掴み出したりする描写は御法度でしょうし、誰も見たくはありません。それでも勝家ともあろう豪傑が、飛び降り自殺という最期を選んでしまう描写には、違和感を禁じ得ませんでした。

勝家最後の奮戦。これまでで一番戦国武将っぽかった気がする。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

基本的に、戦国武将は飛び降り自殺をしません。そう言い切るのには理由があります。飛び降り自殺を遂げると、自分の遺体、特に首級が敵の手に渡ってしまうリスクが高まるからです。

例えば本能寺の変で織田信長(小栗旬)が火を放って自害したのは、自分の首級を敵に渡さないためでした。運よく遺体が焼損すれば、自分と識別されにくくなるでしょう(実際に信長の遺体は判別できず、それが生存説につながりました)。

こう聞いて「死ねばどっちでも一緒でしょ」と思われる方がいるかもしれませんが、積極的に死を選ぶ切腹に対して、飛び降り自殺では逃亡中の転落死と見分けがつきません。

何としてもお市だけは守りたい小一郎だったが……それにしても、よく間に合いましたね。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

いわゆる「全身を強く打って死亡」という無惨な姿を敵に晒した挙げ句、首級でも獲られてしまった日には、死んでも死にきれないでしょう。

もちろん当時の武将たちが自害する現場を見て来たわけではないため、もしかしたら飛び降り自殺を図った戦国武将がいるかもしれません。

それでも脚本を書く上で「もし自分が戦国武将で、追い詰められて死なざるを得ないとしたら、どんな最期を遂げれば名誉を守れるか」という極限状況をシミュレーションしてみる姿勢は大切です。

往時の人々がどんな価値観を持っていたのか、完全にはわからなくても、真剣に考えて描こうとするリスペクトが期待されます。

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受け継がれた浅井と織田の血筋

秀吉の背中を狙う茶々と、その様子をうかがう妹たち。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

お市と涙の別れをすませ、秀吉の軍門に降った茶々(井上和)・初(田牧そら)・江(西川愛莉)のいわゆる浅井三姉妹。茶々はお市から守り刀を託され、妹たちの守り刀となるよう託されました。

「母はいつでもあなたたちのそばにおります」

秀吉を背後から刺そうと葛藤する茶々をたしなめるように一匹の蝶々(オオムラサキ?)が舞い踊り、秀吉の背中にとまります。その姿を見て思いとどまった茶々は、寧々(浜辺美波)と対面しました。

後に激しく対立したとも言われる寧々と茶々の初対決は、寧々が制したと言えるでしょう。

ところでお市は「浅井と織田の血を絶やさぬように」と遺言していました。彼女たちの血統を見ると、このように続いています。

ひとまず寧々には頭を下げておく浅井三姉妹。名乗らないことは何の抵抗(単なる反抗期?)だったのだろうか。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

茶々:後に秀吉の側室となり、嫡男・拾丸(後の豊臣秀頼)などを生みますが、豊臣家滅亡により断絶してしまいました。

初:後に京極高次(若狭小浜藩主)の正室となりますが、子供はなく彼女の血統は絶えてしまいます。

江:羽柴秀勝(秀吉の姉とも次男)との間に生まれた羽柴完子(さだこ)の子孫と、秀勝死後に再婚した徳川秀忠(第2代江戸将軍)の間に生まれた徳川家光・徳川和子(まさこ)の子孫がそれぞれ続きました。

時代は下って大正天皇(和子の子孫)と貞明皇后(家光・完子の子孫)が婚姻し、現代令和の今上陛下にまで続いています。他にも繁栄した子孫たちが存在しているのは言うまでもありません。

かくしてお市と浅井長政(中島歩)の血統は、現代まで受け継がれています。

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小一郎が千宗易と対面

千宗易に茶をもてなされる小一郎。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

大好きなお市の最期を目撃してしまったことで、またしても心に傷を負ってしまった小一郎。だから秀吉が行くなと止めたのに……。

傷心に沈む小一郎が大徳寺に引き籠もっていると、うっかり高価な茶碗を割ってしまいます。よく「国一つが買える」と言いますが、どこの国がどのくらいの値段で買えるのか、知るだけ知ってみたいですね。

それはそうと、茶の湯と言えば千宗易(吉岡秀隆)。ここにきてようやく小一郎と初対面を果たしました。

割れた茶碗を瞬速で直し(金継ぎ?)、苦くて渋いお茶を小一郎に振る舞います。実はお茶が嫌いで、その後に食べる菓子の甘さが目当て……茶道(茶の湯)には詳しくないのですが、千家流の茶道は、そういう楽しみ方が本質なのでしょうか。

今後、どんな千宗易像が描かれるのであろうか。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

茶の湯などロクに興味もない俗物が、いかにも高尚ぶって、詫びだの寂びだの幽玄の世界を演出する。そういう千宗易像を、視聴者に示したかったのかもしれません。

これまで多くの歴史ファンによって築き上げられた千宗易のパブリックイメージを破壊して、視聴者の話題づくりさえできたらそれでいい。そんなことを思ってこの場面を描いたのか、それが筆者の思い過ごしならいいのですが……。

果たして本作における千宗易は、羽柴兄弟の天下一統にどのような役割を担ってくれるのか、今後の活躍に期待しましょう。

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月代を剃った羽柴兄弟

月代を剃って、ニコニコ可愛い羽柴兄弟。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

せっかく政務も家族も放り出して大徳寺に引き籠もるなら、いっそ頭を丸めるくらいしたらどうなんだ……などと冗談で考えていたら、髪のすべてではなく月代(さかやき)を剃っていました。兄に倣ってヒゲも生やし、天下人とその補佐役たる貫禄十分……でしょうか。

物語が残り1/3に差し掛かるタイミングで月代を剃ったわけですが、元々は兜をかぶる時に頭髪で熱中症になるのを予防するために行われたものだったそうです。

それが戦国時代に入ると合戦の機会が多くなったので、日常的に月代とするようになり、亡き信長が推奨したことで、より広まったと言われています。

それまで毛抜きを使って一本ずつ抜いていたののですが、信長は剃刀を使って剃るスタイルを提唱。手入れのしやすさとすっきりした見た目から、武士の身だしなみとして定着していきました。本作の信長は最期まで総髪でしたが、こういうオシャレな一面もあったようです。

やがて江戸時代に入ると、武士はもちろん庶民たちの間でも「お侍たちと同じ髪型にできる」とばかり月代を採り入れ、日本文化を象徴する髪型の一つになっていきました。

秀吉の決意表明を見守る小一郎。ようやく覚悟が固まったか?NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

現代人のファッション感覚から見れば、月代は珍妙に見えて評判もよろしくないようです。劇中でも「皆が笑える世にするため、まずは家臣たちを笑わせる」として、羽柴兄弟が月代をお披露目していました。

この文脈だと、要するに「みんなを笑わせる・ウケをとる」ために月代を剃ったように感じられてしまいます。

しかし実在の小一郎や秀吉、他の戦国武将たちが月代を剃っていたのは、決して「笑ってチョンマゲ(丁髷)」とばかりウケを狙うためではありません。

彼らは命を賭けた勝負を前に気合いを入れるため、いざ死んでしまっても恥ずかしくない心意気を示すために剃ったはずです。

ともあれ月代を剃って気合十分、天下一統に向けた羽柴兄弟の活躍を楽しみにしています。

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第34回放送「最強のライバル」

首に縄をかけてでも小一郎を引きずり戻しに来た慶。当主にいきなり家督を投げ出されては、一族の存亡にかかわるのだから必死である。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

自ら政治を動かすようになった秀吉(池松壮亮)は、その権威の象徴として絢爛豪華な大坂城を築城。諸国の有力大名が挨拶に訪れる中、家康(松下洸平)だけは関東平定を理由に姿を現さず、小一郎(仲野太賀)はその動向を危ぶむ。懸念どおり、信雄(山脇辰哉)が家康に接近、秀吉を倒そうと持ち掛ける。誘いを断る家康だったが、脳裏にはかつて今川家の人質だったころの苦境、そして信長の命で妻子を処刑した苦渋の決断がよぎり..

※NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。

大好きなお市を喪った傷心から立ち直った羽柴兄弟は、いよいよ天下一統に向けた野心を露わにしました。もちろん主筋の織田信雄(山脇辰哉)がそれに従うはずもなく、徳川家康(松下洸平)に泣きついて対抗を試みます。

次回は徳川家臣団が一気に充実するので、小牧・長久手の戦いに向けてますます見どころが増えてくることでしょう。これからも楽しみに見守りたいですね!

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