通いなれたはずの病院へ行く途中、道に迷った母。助けてくれた青年にお礼を伝えに行ったのに...(愛知県・50代女性) (1/2ページ)
とても親切にしてもらったのに、感謝を伝えるすべがない。
愛知県在住の50代女性・Sさんがお礼を言いたいのは、母親を助けてくれた青年だ。
しかし、再び会いに行こうとしてもそれが叶わなくて......。
<Sさんからのおたより>
今から10年以上前の話です。
父が当時入院していた病院へ、母が毎日見舞いに通っていました。
バスと電車を乗り継ぎ、駅からは歩いて病院へという道のりを3か月ほど続けていました。
その後、父は自宅療養となりましたが、最終的にはまた病院にお世話になって、人生の幕を閉じました。
それから、1~2年後だったでしょうか。母が、経過観察だった病気の検査のために、父がかつてお世話になった病院へ少しの間通うことになったのです。
慣れた道のりだと思っていたけれど慣れた道のりだからと楽観的に構えていました。
しかし、いざ病院へ行こうとすると、駅から病院までの徒歩10分ほどの道がわからなくなったのです。
母は覚えている景色を頼りに迷いながらも歩き続けましたが、行けども行けども病院は現れず、見たこともない場所に出てしまったといいます。
途方に暮れていると、近くにあった町工場のような入り口から青年が出てきたので尋ねてみたら、全く方向違いの場所で、見かねたその青年は母がわかるであろう場所まで一緒に歩いて案内してくれたそうです。
ようやく見覚えのある病院近くまで来たときには、安堵と感謝でいっぱいの気持ちで、お礼を言って別れたのだと言っていました。
ただ、後になって冷静になったとき、「名前を聞いておくべきだったと後悔した」と私に話すので、「じゃあ、その青年が勤めていた会社へお礼に行こう」と提案し、母と一緒に行くことにしました。
母が辿ったと思われる道を1時間以上歩きましたが、「たぶん、こっちだと思う......」と言うばかりの母の記憶は当てにならず、駅から病院とは反対方向を探しながら歩きましたが、見つけることはできませんでした。