リモート時代、社内イベントは何を生むのか 「場」と食を組み合わせる新たな試み (3/3ページ)
同社によれば、2025年には選抜学生がベトナムを訪れ、現地の日本料理店で寿司の提供や文化交流を行った。今年も実施を予定しているという。学生にとっては、教室内の学習とは異なり、実際の顧客を前にサービスを提供する経験になる。
一方、企業の現場で学生を受け入れる場合には、教育目的とサービス品質の両方を考える必要がある。
どこまでを学生に任せ、どの部分をプロが担うのか。安全管理や接客品質をどのように維持するのかなど、継続的に運営するためには一定の仕組みが必要になる。教育とビジネスを組み合わせる取り組みは、実践的な経験を提供する可能性がある一方、受け入れ側の企業にも相応の負担が生じる。
「場づくり」は組織を変えられるのか「場づくり」は組織を変えられるのか
企業におけるコミュニケーションの課題は、リモートワークだけが原因ではない。
部署間の関係や組織文化、評価制度、日常の業務量など、さまざまな要因が絡み合っている。
そのため、社内イベントや体験型コンテンツだけで、組織そのものを変えられるわけではない。一方、普段とは異なる環境で社員同士が話したり、共同作業をしたりすることが、新しい関係をつくるきっかけになる場合はある。miuchiが手掛ける空間と飲食を組み合わせた取り組みも、そうした「きっかけ」を設計する一例といえる。
重要なのは、イベントを豪華にすることではなく、なぜ人を集めるのか、その場でどのような関係をつくりたいのかを明確にすることだ。リモートワークが定着し、対面の機会そのものが以前より選択的になったからこそ、「集まること」の意味も改めて問われている。
空間、食、体験をどのように組み合わせれば、一過性ではない関係づくりにつながるのか。企業の社内コミュニケーション施策において、今後も試行錯誤が続きそうだ。
【取材協力】
miuchi株式会社
代表取締役 菊池美言
https://miuchi.homes/