地域企業はなぜ「多角化」に向かうのか 家具・建築からカフェ、スポーツへ広がる事業 (2/3ページ)
どこまでを自社で担い、どこから外部の専門家と組むのかという判断も必要になる。
多角化は本当にリスク分散になるのか
多角化は本当にリスク分散になるのか
複数の事業を持つことには、一つの市場が低迷した際の影響を分散できるという考え方がある。
例えば建築需要が落ち込んでも、飲食や小売など別の事業が収益を補うことができれば、企業全体への影響を小さくできる可能性がある。
一方、多角化には逆のリスクもある。
事業ごとに顧客も競争相手も異なり、必要な人材や運営ノウハウも変わる。事業数が増えるほど経営者が把握すべき範囲が広がり、管理コストが増える。
重要なのは「事業を増やすこと」そのものではなく、それぞれの事業にどのようなつながりを持たせるかだ。
株式会社吉村の場合、空間設計や家具を基盤として、カフェやファッションなどを組み合わせることで、自社の空間づくりを実際の店舗やサービスとして展開する考え方をとっているという。
この構造が継続的な相乗効果を生むのか、それとも個別事業の集合にとどまるのかは、今後の運営によって見えてくる。
所沢に根ざしながら外へ広げる理由同社は、本拠地である埼玉県所沢市で地域との関係を持ちながら、活動範囲を外部へも広げている。同社によれば、2026年度にはプロ野球の埼玉西武ライオンズとオフィシャルスポンサー契約を締結した。
地域を代表するスポーツチームとの取り組みは、所沢を拠点とする企業として地域との接点を増やす手段の一つと位置づけられる。
一方、事業展開は所沢だけにとどまらない。
2026年9月には、石川県金沢市のひがし茶屋街で「COFFEE GALLERY ひがし茶屋街」をオープン予定だという。