【豊臣兄弟!】豊臣秀長は「史上最強の留守番」だった!秀吉が安心して全国を駆け回れた意外な理由 (3/4ページ)
秀吉は黒田官兵衛の子である松寿丸を人質として確保していました。そして、その人質を使って信長に許しを求めようとし、重臣たちを連れて安土城へ向かいます。
その間、控えの間で秀吉を待っていたのが、蜂須賀小六、前野長康、竹中半兵衛、浅野長政、そして秀長の五名でした。処分の内容によっては、彼らまで切腹を命じられる可能性があったわけです。
当然、室内には強い緊張が走ります。ところが、そこで秀長は何をしたかと思えば、静かに白扇を開き、風を送ったそうです。
庭には菊花が咲いていました。扇から生まれた風によって、その香りが室内まで届きます。
この静かな動作が、張りつめた空気を変えるきっかけになりました。誰もが不安を抱える場面で、秀長だけは慌てる様子を見せなかったのです。
すると竹中半兵衛が口を開きました。菊花は隠逸の象徴であり、仁義を守れば道は開けるはずだという趣旨の言葉を述べたとされます。
菊には隠逸花という別名があります。半兵衛は、清らかな心でこの状況に向き合うべきだと示したのでしょう。
ここで重要なのは、半兵衛の言葉そのものだけではありません。その言葉を引き出したと考えられる、秀長の落ち着きです。
任せられる男乱世では、トップ本人が強いだけでは組織を維持できません。本人がいない場所を安心して任せられる人物がいてこそ、主君は遠くへ動けます。