赤ちゃんを抱っこして、快特内で立っていた私。ドア付近に座る男性客はたくさんの荷物を... (1/2ページ)
たくさんの荷物があったというのに、その人は......。
海外在住の女性・Aさんが一時帰国中に体験したこと。
<Aさんからのおたより>
2018年、1月。日本に住む母から、入退院を繰り返していた父の容体が悪化し、余命数か月だと連絡を受けました。
夫と、アメリカの小学校を一時休学した上の子、そして生後間もない赤ちゃんを連れての緊急帰国。
そして翌月、父は家族に囲まれて他界しました。
電車で赤ちゃんを抱いて立っていると...3月。まだ悲しみは癒えませんが、私たちはもうすぐアメリカに帰国しなければなりません。
父を失くした母と残りの時間を一緒に過ごしていたある日の夕方、品川から家族で電車(快特)に乗車し、下の子を抱っこ紐で抱え立っていました。
ドア近くに座っている男性がこちらを見て、私が赤ちゃんを抱っこしてる事に気づいたのでしょう。席を立ち、上の棚から自分のリュックを下ろすと、他の手荷物も両手で持ちドア近くに移動させ、一旦荷物を全部床に置きました。
でも座席にはまだ男性の手荷物の紙袋が。
そして私に向かって「どうぞ」と言うと、サッと最後の残された紙袋を引き、席を譲ってくれたのです。
その紙袋は私がちゃんと座れるようにと残しておいてくれた男性の優しい心遣いでした。
私はお礼を言って座り、「良かったね」と赤ちゃんに話しかけました。
きっとこの男性は次の川崎駅で降りるのだろうと思い込んでいたのですが、川崎駅を出発後もその男性は乗車していました。ならば次の横浜駅? いいえ。横浜駅で降りたのは私たちの方です。
改めてお礼を言い、私たちは下車しました。
快特なのでその男性は上大岡または横須賀方面で下車するのでしょうか。私たちよりも長い乗車になります。
譲ってもらえた席のその後はというと、その男性が再び座れることになりました。
私が席を立った後も、周りにいた乗客は座ろうとしなかったのです。
もしかしたら譲ってくれた男性が横浜駅で降りないのでは、と思ったのかもしれません。