神戸の街に憧れて地元から引っ越してきた私。到着した途端に夜の街で泣きっ面に蜂(愛知県・50代女性) (1/2ページ)
希望に満ちた引っ越しだったはずなのに、どんどん不安に。
そこへ不運にも見舞われて......。
愛知県在住の50代女性・Cさんの思い出。
<Cさんからのおたより>
30年ほど前の春。好きな街神戸での一人暮らしに憧れて、仕事もちゃんと決まっていないのに部屋だけを決めて無謀に引っ越し。
「なんとかなる!」と言いながら何回かに分けて荷物を運んでいるうち、未来への楽しみよりも不安がどんどん膨らんできていました。
いよいよこれが最後の地元からの移動というバスの中で泣いてしまうくらい心細くなり、グズグズになっているうちに神戸に到着して......。
まさに泣きっ面にハチバスから降りて歩き出したら細々としたものがたっぷり入れてあった大きな紙袋が持ち手のところから破れてしまい。中身がほとんど路上にこぼれてしまいました。
まさに泣きっ面に蜂です。夜とはいえ人通りは結構あるし、恥ずかしいし、どうすればいいのかと暫し茫然と立ち尽くしてたら、何処からかわかりませんが若い女性が駆け寄ってきてくれました。
手に新品ではない紙袋を持って、「これ使って下さい」と。私は反射的に手が出て、その袋を受け取ってました。彼女は素早く立ち去られました。
手元にある紙袋を見ると中に物が入ってたと思われる形が残ってました。
その人は遠くから私を見ていて、咄嗟に自分の袋から中身を出して私に持ってきてくれたのでしょう。
その袋に足元に散らばった私物を入れてその場を去りながら、見ず知らずの方の優しさに更に涙が溢れてました。
テンパる頭でしっかりお礼を言えた記憶がないのですが、ずっと心から感謝しています。それ以来、私もかくありたいと思い日々生きています。
【このコーナーでは読者のみなさんからの投稿を紹介しています】
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」、あるいは「どんなもんだい!」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。