汚物攻撃にエロ落書き...捕捉された万引き犯のトンデモ報復 (2/2ページ)

東京ブレイキングニュース

  また、汚物を撒き散らすという、迷惑極まりない報復行為も散見される。店内に痰を吐き散らかすのは少年にありがちなことといえるが、商品にハナクソをつけて回る小学生を見た時や、寝具売場の死角で小便を放つ者を見た時には驚愕させられたものだ。また、警察が到着するまでトイレを我慢させられたことに怒り、事務所で尻を出した高齢者もいたが、これは報復というよりも「堪え切れずに」という感じが強かったように思える。その場にいれないほどの臭気を嗅がされ、軽い殺意を抱いたのは言うまでもない。

 さらには、自分が捕捉されたドラッグストアに、脅迫状を送りつけてきた男もいた。その手紙を読めば、自分が刑務所にいる間に家族が無理心中してしまったらしく、服役するきっかけを作った店長や保安員のことが許せないと逆恨みする内容であった。手紙の文中には「恨み」とか「殺す」などといった単語が頻繁に使われており、その類の言葉だけは赤字で書くという念の入れようだ。相当に深い恨みを抱いているように思えるが、自分の愚行を棚に上げて全てを人のせいにする男の思考は理解できない。

 警察に相談して調べてもらうと、封筒に書かれていた差出人は実在する人物で、この店で捕捉された経験を持つ元商店主の男であることがわかった。男の家族が心中したことも事実で、奥さんと二人の子供が亡くなられているという。実際に捕捉した保安員に聞けば男のことは記憶にないというので、捕捉した時にトラブルがあった訳ではなさそうだ。しかし、手紙の内容に嘘はなく、脅迫状を本名で送りつけてきたところからすると、ただの脅しで片付けるわけにもいかない。被害届を受理した警察は、男の所在を確認するべく自宅まで見に行ってくれたが、すでに引き払われて更地になっており、その行方は不明のままであった。

 それから一年足らずの間に、届けられた脅迫状は六十通を超えた。いつ訪れるか分からない犯人に対する恐怖から店長は異動を申し入れ、保安員は現場を外れることで難を逃れてはいるが、犯人が逮捕されるまでは安心できない。そんな状況が続いていたある日、男の身柄が確保されたという一報が入った。店舗近くのスーパーで、数本の酒を盗んで捕捉された男の所持品から、脅迫状が出てきたというのである。またしても服役することになった男の恨みは、出所までに晴れてくれるだろうか。歪んだ感情を爆発させてしまえば取り返しのつかない事態を招くことにもなりうるので、すべてを忘れて、残りの人生を全うしてくれることを願うばかりだ。

Written by 伊東ゆう

Photo by Ines Njers

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