いわゆる「W吉田」誤報と朝日の油断...プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.61 (2/2ページ)
しかし、朝日は致命的な読み間違えをした。まさか「吉田調書」が公開されるとは思っていなかったのではないか?
タブロイド紙などで「産経にも吉田調書が渡ったのは官邸の朝日潰し」という内容の記事を目にした。朝日の嘘を晒すために官邸側が産経にリークしたのだ、と。
ここで考えたいのはリークの是非ではなく「朝日の油断」である。
吉田調書は公開されるはずがない、という考えは朝日になかったか。「自分しか入手してないから安心して読者を誘導しようとした」と言ったら失礼だろうか。
しかし安倍政権は吉田調書を朝日以外にリークして朝日の嘘を指摘させ、朝日を追い込み、そして「真実を見てもらう」という大義名分で吉田調書を公開してしまった。
菅官房長官の「吉田氏の記録の一部を断片的に取り上げた記事が複数の新聞に掲載され、独り歩きとの本人の懸念が顕在化しており、このまま非公開とするとかえって本人の意思に反する」という見事すぎる大義名分に、朝日はまさかの王手をかけられた。
朝日は、安倍政権の対朝日への「執拗さ」をナメていたのだと思う。第一次安倍政権は朝日にさんざん叩かれ沈没したという恨みを先方が「まだ抱いてるかもしれない」可能性を忘れ、ナメていなかったか?
朝日は会見で「思い込み」で記事を書いてしまったと述べたが、今回最大の「思い込み」は、こういう記事に対しては権力側はデンと構えてスルーするはず、という思い込みだろう。
もっと言えば、安倍サイドの「器」を読み間違えていたのではないだろうか(器の大小については各々の判断でお願いします)。
さて、「朝日は廃刊すべき」と主張する人たちがいるが、どうだろう。だってもし本当に朝日が廃刊してしまったら、生き甲斐を失くし嘆き悲しむのは、そう言ってる人たちだと思うのです。
想像すべきだ、大ボケがいなくなったときのツッコミの寂しさを。
朝日のWボケ漫才ならぬ「W吉田」を見て私はそう思いました。
Written by プチ鹿島
http://n-knuckles.com/serialization/img/kasimaph.jpgプチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆TBSラジオ「荒川強啓ディ・キャッチ!」◆YBSラジオ「はみだし しゃべくりラジオキックス」◆NHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」