いわゆる「W吉田」誤報と朝日の油断...プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.61 (1/2ページ)

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いわゆる「W吉田」誤報と朝日の油断...プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.61
いわゆる「W吉田」誤報と朝日の油断...プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.61


 いわゆる「W吉田」誤報(byサンデー毎日)。

 先週大きな会見があった。「吉田調書」をめぐる報道で、朝日新聞社の木村伊量社長が謝罪した。そしてついでに(という感じで)「吉田清治」に関する誤った記事を掲載したこと、その訂正が遅きに失したことについても「読者のみなさまにおわびいたします」と述べた。

 この会見は、8月に書いた当コラム2本の答え合わせになった。

 私はまず8月26日のコラムで「吉田調書」の朝日と産経の異なる解釈は「プロレス物件」であると書いた。

《そこに送り手側の立場や思想が絡んでいるからこそ、同じ「試合」でも伝え方が違う。なんなら読者を誘導する。朝日と産経の吉田調書を巡る報道は久々に味わうプロレス紙(誌)の報道合戦だと私は確信している。》

 そしてコラムの最後に、政府が吉田調書公開の検討を始めたという話題を紹介し「朝日、産経、今頃ドキドキしているのはどっちだ?」と書いた。ドキドキしていたのは朝日だったことになる。ドキドキしすぎて政府が公開したその日にギブアップしてしまった。

 そして興味深いのがもうひとつ。会見後の13日の朝日にはこんな記事が載っていた。

《抗議書を送っていたジャーナリストや雑誌、新聞社におわびの意思を伝えた。(略)伝えた相手は、ノンフィクション作家の門田隆将(りゅうしょう)氏、週刊ポスト(小学館)、写真週刊誌のFLASH(光文社)、産経新聞社。》

 私は当コラムの8月12日分で、朝日はなぜ「慰安婦報道の訂正」をしたのか? という理由として「抗議文」に注目した。

 というのは、「週刊ポスト」(6月20日号)に「朝日新聞『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じだ」という記事が載るや、朝日は小学館にすぐさま抗議したのである。

 それまで「吉田清治証言は虚報」的なことを書かれてもずっと沈黙していた朝日が、「吉田調書」記事もそれと同じ虚報だと言われたら過敏に反応し抗議書を送ったのだ。

 言ってみれば朝日は東電の「吉田調書」スクープを守るために、慰安婦の「吉田証言」虚偽を認めたのだ。一部を虚偽と認めることにより、その他は反論できる態勢を整えたと私は推察した。

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