野口健氏「韓国で日本人差別」はどこまで本当か...釜山で現地取材 (2/3ページ)
ネットに書いてあったという日本人がトラブルにあった(集団で暴行された)という店に取材し、店の監視カメラまで分析して、それがデマであったということを証明したということだ。
なお、釜山の警察署にも話を聞いてみたが、そういう理由での被害届はひとつも受けたことはないとのこと。日本語と中国語の案内だらけの釜山の観光センターでは「釜山市はここまで日本からのお客さんを歓迎しているのに、そんなことがあるわけないでしょう」と軽くあしらわれる始末。
ネットの嫌韓を煽る話には本当に注意が必要だ。昨年、サッカー日本代表の試合が予定されていたソウルには、日本からも大勢のサポーターが駆けつけることになっていた。その時期に、某大手夕刊紙の一面に「韓国で日本人狩り」とのショッキングな見出しがならんだ。バットをもった若者たちが「竹島はどっちの領土だ」などと聞いて、日本人を襲うそうだ。だが、これが完全なデマ。日本代表のサポーター数千人は、日の丸がはいったブルーのユニフォームを着て、ソウルの夜をそれぞれ楽しんだことは言うまでもない。
野口氏の「体験」は本当にあり得ることなのか。これまで見てきたように、本当にあったとしても、現在の韓国では相当のレアケースの話だということがお分かりいただけたかと思う。
ちょうど野口氏が「差別体験」をしたと記憶しているという1999年に日本から韓国に渡航した人が年間200万人を突破している。昨今の「嫌韓」風潮で減ったといわれるが、2012年にはなんと年間300万人。そうすると1999年からの累計で3000万人近くが韓国に出かけていることになる。野口氏のように、名前を出してそういう体験を語ったのは野口氏を含めて2名しかいない。そうすると先の渡航者数を単純に母数とするならば、数千万分の一の確率となる。
もちろん「反日」感情がある国なのは承知である。だいたい政治の話になると、熱くなって竹島がどうのと慰安婦がどうのと始まり、一歩も引かないのは、もう彼らのお決まりである。
だが、それでは日本は嫌いなのか?と聞くと、そろってあっさりと、「日本人が嫌いなのではない。嫌いなのは安倍総理であり日本の政治家だ」という答えが返ってくる。当たり前だ。