【新宿署痴漢冤罪事件】痴漢に間違われ死に追いやられた青年の悲劇 (2/2ページ)

東京ブレイキングニュース

 ボイスレコーダーは、現場に警察官が到着し、新宿駅西口交番、新宿署でのやりとり、また釈放されてから電車にひかれるところまでも記録されている。しかし、提出された音声データでは、駅員の名前を読めている。このときのボイスレコーダーの記録はないので、都側提出の音声データが本物なのかどうかは不明だ。偶然、この時だけ名前を読めた可能性もゼロではないが、音声データがつくられたものという可能性も否定できない。

 母親の尚美さんにとってはボイスレコーダーの存在が大きい。このボイスレコーダーがあったからこそ、多くの人に説得力を持って伝えることができている。そして、国家賠償をすすめてくれた故・黒木昭雄さん(元警察官で、退職後は「捜査するジャーナリスト」)と会うこともできた。

 できるならば、110番通報の音声データが本物かどうかを鑑定すべきだろうが、鑑定する時間をつくると、さらに証人尋問が遠のいてしまう。また、裁判全体の時間も長引く。音声データに改ざんの跡がないとの鑑定だったとしても資金は必要だ。そのため、資金と精神力に余裕があればよいが、得策ではない。

 これまでも不思議な点はあった。そもそも、痴漢があったとされた当時の新宿駅構内の監視カメラのデータがある。もとデータはデジタルデータだが、JR側が母親の尚美さんに提出した画像はVHSのビデオテープだった。トラブルが起きていると思われる集団が記録はされている。しかし、110番通報をした時間とは違った時刻のものだった。

 警察やJRが出してくる情報に母親の尚美さんが揺さぶられている。ただ、今の希望は逆に時間がかかっていることだ。「国賠訴訟の場合、短時間で弁論が終わる場合は、一般庶民が負けているケースばかりだ。勝つかもしれない事案は長期化する」と言われているからだ。ただ、長期化すれば訴訟費用は心配だ。そのため、支援する会( http://haradakokubai.jimdo.com/ )ではカンパを集めている。

Written Photo by 渋井哲也

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