「神戸女児遺棄」で阿部祐二が回顧…刑務所で出会ったある死刑囚

デイリーニュースオンライン

 DMMニュースをご覧のみなさん、こんにちは。阿部祐二です。

 今週は神戸で起きた小1女児殺害事件を取材していました。このような残忍な事件を取材すると怒りがこみ上げるのと同時に、いつも思うことがあります。昔は無邪気な子供だったはずの犯人は、いつ何がきっかけで変わっていったのか、ということです。

 僕は20年前から刑務所に出向き、犯罪者と面会を重ねてきました。やはり番組で話すことを考え、大きな事件の首謀者と面会をすることが多いのですが、中でも思い出深いのがAという首謀者です。

 この犯人は15年くらい前、勤めていた会社の同僚を言葉巧みに支配し、同僚の夫ら2人を残忍な手法で殺害、多額の保険金をだまし取った事件の首謀者で、先般、死刑判決が出ています。

希代の殺人者か大企業のCEOか

 Aとは複数回面会を重ねましたが、ものすごく弁が立つんです。詐欺師の典型といってしまえばそれまでですが、まるで優秀な経営者をインタビューしているような雄弁さ。刑務官が「Aは死刑囚にならなければ、大きな会社のCEOになっていてもおかしくなかった」と語っていたのを今でも覚えています。頭が切れ、人をまとめる力もあった。だから、Aは同僚らを巧みに操ることができたのではないでしょうか。夫を殺してしまうほど心酔させるなんて、普通の人間にはできませんよね。

 残念ながら、そんな力が歪んだ形で発揮されてしまった典型定期な例なんです。

 もしかしたら、成功者になっていたかもしれないAは、金と色に溺れ犯罪者となった。犯罪の動機の大半は金と色、そして怨恨でしょう。これらは日常生活と遠いところにあるものではなく、身近に存在しています。極論をいえば、犯罪者になるための動機はそこかしこに転がっているといってもいいのです。

 世間を騒がせる大犯罪者と呼ばれる人の中には、このA然り、能力が高い人も少なくありません。特に社会の中で目立とう、大きなことをやってやろう、一発当ててやろう、そんな風に企んでいた人が、ダークサイドに落ちた結果、というケースもよくあります。

 成功者と犯罪者は両極の立ち位置のように見えますが、実は「紙一重」だったりするのです。

 僕は、そんな人生が大きく変わった犯罪者の「分岐点」が知りたくて、今日も現場に足を運んでいるのです。

 次回は、私の身に降り掛かった凄惨な事件の現場を、レポートするとしましょう。

著者プロフィール

テレビリポーター

阿部祐二

1958年生まれ。東京都板橋区出身。阿部ちゃんの愛称で親しまれ、テレビ番組『スッキリ!!』のリポーターや俳優として活躍中。

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