裏社会も震撼する五代目工藤會、福岡県警「頂上作戦」の本気度 (2/2ページ)
どちらかといいえば、"マフィア"という印象に近い」
――関東に、五代目工藤會の組員はいるのか?
「俺の知ってる限り数十名はいる。だけど関東には関東の流儀があるから」
――本部を置く北九州などでは公共事業にも影響力を持っていると聞くが、関東ではどうなのか。
「関東ではそこまではいっていない。各自、色々なシノギをしているよ」
今回の摘発には警察庁を始め福岡県警などがかなり力を入れている。これが成功すれば次は他の組織に力を移行するであろう。ある暴力団関係者は語る。
「今月は取締月間だから、ある程度の締め付けは覚悟している。だけど、五代目工藤會がやられたように、電話を盗聴されたら俺たちはお手上げだね」
暴排条例、暴対法などでどんどん締め付けられる中で、暴力団関係者を震え上がらせる「電話の盗聴」。これは裁判所の命令で行われるため、裁判でも証拠として採用される。そんな矢先の10月1日、福岡県警の樋口本部長の会見に注目が集まった。
「一人の人間として今、大きな岐路に立っているはず。雲間から一筋の光を見いだし、勇気を出して広い社会へ踏み出す時です」
樋口本部長は五代目工藤會所属組員らに対し、組織からの脱退や出頭をあらためて呼び掛けた。警察庁、福岡県警の威信をかけた「頂上作戦」はまだ始まったばかりだ。
Written by 西郷正興
Photo by Jonathan Kos-Read