御嶽山に続く巨大噴火はロシアンルーレットの可能性!? プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.64 (2/3ページ)

東京ブレイキングニュース

年が過ぎるごとに「当たる」確率が高くなっていく。これは誰でもわかる理屈だろう。

『火砕流で全て焼き尽くされる領域には1000万人以上の人口がある。日本喪失以外なにものでもない』(「地震と噴火は必ず起こる」新潮選書)

『仮に今、超巨大噴火が九州南部で発生したとする。この地域は、これまでに最も頻繁にこのタイプの噴火を繰り返してきた場所である。このクラスの噴火では、一両日の内に日本列島に降灰が及び、北海道を除く地域では10センチメートル以上の火山灰が降り積もる。この範囲に暮らす1億人以上の人々は、一瞬にして日常生活を失うことになるであろう』(「同」)

 教授は図解で丁寧に我々に教えてくれた。被害地域が日本列島の全てであることが一目瞭然。声を失う観客。

「これは、日本に生きている以上、受け入れるしかない宿命なのです。」

 防ぐとこはできない、という。 先ほども書いた前回7300年前の「鬼界アカホヤ超巨大噴火」が起きたとき、九州南部の縄文文化は消滅した。 つまり「次」も日本人はその運命を受け入れるしかないという。

 絶望的だが、ちっぽけな希望もある。それは「時間のスパン」だ。

 噴火のスパンは人間の一生とは途方もなく違うため、我々が生きている間に「それが起こるかどうか」なのである。

 我々が神頼みできるのはただそれだけ。どうか生きているときにそれが起きませんようにと。

 教授に聞いてみた。「怖くないのですか?」と。観客からも「そういう研究をしていると人生観に影響が出ますか?」という質問が出た。

 教授はむずかしい顔で答えるかと思ったら柔らかな表情でこう言った。

「この国に生まれたことを受け入れるしかないんです。悲観的になっても仕方がない。 日本は(火山や地震の起きやすい土地のおかげで)多くの恩恵も受けてきた。美味しい食べ物、美しい自然、温泉。私たちの祖先は自然と共に生きることを止めなかった」

 世界の8%近くの活火山が存在する日本。巨大噴火は必然だが、だからこそこの国を楽しもうという教授の人生の提案&達観。

「御嶽山に続く巨大噴火はロシアンルーレットの可能性!? プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.64」のページです。デイリーニュースオンラインは、巨大噴火プチ鹿島御嶽山社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る