パリ9区で発見、欧州最古の「フリーメイソンロッジ」潜入ルポ (2/3ページ)
もしや、世界の謎を解くための「メイソン・コード」か!?
しかし「指紋」に書かれた諸外国語を解読してみると、意外に普通のことしか書いていなかった。例えば漢字で記された「政教分離」という四字熟語。これは18世紀当時、カトリック教会からの離脱を謳い、無神論者も受け入れた、フランス大東社の理念を表しているのだろう。それに政教分離は近代ヨーロッパの全体的な流れであって、ことさらフリーメイソンに限った思想ではない。
英語の文はシェイクスピア『真夏の夜の夢』の台詞「恋は目ではなく心で見るもの」。ラテン語は古代ローマ・ホラティウス『歌集』の「あまり大衆に迎合することなかれ」といった一節。漢文は元の時代に出された官庁文書『廟学典礼』にある「学校運営はキチンとすべし」といった一文。
う~ん、普通に有名な古典からの引用だし、そんなにフリーメイソンと関係無いような気がするけど......。「コノハナノウヘニキレイナテフノツガイヲ(この花の上に綺麗な蝶のつがいを)......」なる古めかしい日本語も一見謎めいているが、「ヨミハヂメ」と最初に書かれている通り、戦前あたりの国語教科書からひっぱってきたものだろう。どうも、全体的に当たりさわりの無い文章を持ってきているだけである。 どおりでパシャパシャ撮影してようが、誰も注意しに来なかった訳だ。
ことほどさように、フランス大東社ロッジを見学してみても「フリーメイソン=世界を牛耳る秘密結社」なる印象は受けない。そもそも大東社は他のメイソンロッジより入会規定もユルやかで開かれた組織。だからこそ博物館として一般開放されているのだろう。陰謀論で囁かれるイメージと異なり、「本当は慈善事業も行う、普通の名士会団体なんだよ」とアピールする狙いもあるのかもしれない。
お土産グッズも充実している。フリーメイソンも登場する漫画『コルト・マルテーズ』グッズや、小粋なポストカード、マグネットに鉛筆、マグカップなどなど。受付のオジさんも、やけに色々買わせようと気さくに話しかけてくる。これはチャンスとばかりに、「入会儀礼の部屋は見れないのか?」とiPhoneの画像を見せて訊ねてみた。ネット検索してみたら、日本人女性たちが部屋を見学させてもらったというブログがひっかかったのだ。