今国会中に法案提出される「ヘイトスピーチ規制法」の危険性 (3/3ページ)
やめたくてもやめられない属性に対する攻撃だけが差別だ」
「レイシスト死ね! レイシストには何をしたって構わない!」
「ちなみにレイシストの定義はオレらが勝手に決める(キリッ」
......といった超理論をぶちまけて敵ばかり増やしているが、そんな暴論を社会が認めてくれる訳がない。彼らの言動も立派なヘイトスピーチである。
「相手は○×だから我々がいくら攻撃してもいい」という自分勝手なルールで暴力的な言動に及ぶ事がまさに差別だと思うのだが、その手の人間は「マジョリティによるマイノリティへの攻撃のみを差別とし、ヘイトスピーチ規制法の対象とする」 などという噴飯物のオレルールをひけらかすばかりだ。ヘイトスピーチの法規制に向けて運動している、特に目立つ場所にいる連中ですらコレなのだから、到底世間が納得するとは思えない。むしろ危機感を持たれて法案自体が潰されるのが関の山であろう。
また、もし仮に多数派が少数派を非難しただけで差別だヘイトスピーチだとされる世の中になったとしたら、何が起きるか想像できるだろうか?
私の鈍い頭で考えるに、まずヤクザがマイノリティ利権をかっさらって行くに違いない。私が昔取材したとある関西のアウトローは、暴力団員でS学会員でK同盟員で在日朝鮮人という数え役満状態で、それぞれの立場の名刺を見せてくれたが、その手の人間にとってはこれ以上なく強い武器になるだろう。自分を少数派の立場に置けば、ヘイトスピーチ規制法が守ってくれるのだから。
彼らがそうした優位なポジションを利用して何をするか容易く想像できるのだが、今のところそうした悪用を防げるような「コレ!」という具体案にはお目にかかれていない。
この辺りの不安を取り除いてくれ、なおかつ適切に守るべき対象を守れる法案を作ってくれる人物がいったいどこにいるのだろう?
私には道端で警官に対して「オレが○×だからって差別するのか! うわー助けてくれー! 警察官にヘイトスピーチされたー!」と騒ぐヤクザ者が続出する光景しか頭に浮かばない。
ヘイトスピーチを減らす最良の薬は、他人にウンコを投げ付けないと鬱憤晴らしも出来ないような追い詰められた国民を減らすことである。何でもかんでも規制すればいいという考え方をしている時点で、表面的にはヘイトスピーチがなくなったとしても、別の形で人の悪意が暴発するに決まっている。
Written by 荒井禎雄
Photo by pasuay@incendo