『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』を暇なので、まじめに解説[その1]

あにぶ

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2002
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2002

■あっぱれ戦国大合戦!

漫画やアニメをあまり知らないという方でも、「クレヨンしんちゃん」は知っているだろう。テレビ朝日の顔の1つで、核家族のモデルケースだ。

さて、その野原一家は、映画で2度戦国時代にタイプスリップしたことがある。

2回目のタイムスリップの物語であり、クレヨンしんちゃんの映画10周年を記念する作品であり、正直、エンディングソング以外非の打ちどころのない最高の映画が「クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」である。

そして、この記事は歴史オタクでもあるもくが、戦国大合戦の「合戦」部分を解説していきたい。

■まえがき

現在のテレビ番組でおこなわれる合戦のシーンを見ると、あまりにも内容が酷く、失笑を禁じ得ない。わざわざ合戦のシーンなんて入れる必要ないのではないか?と思う。

劇場版「るろうに剣心」葵徳川三代はかなり頑張った方ではあると思うが、るろうに剣心は合戦ではないし、葵徳川三代はNHKの本気だが、合戦シーンはクレヨンしんちゃんの足元にも及ばない。

人が死ぬ姿がない、血が出ない、車が出てくる以外、クレヨンしんちゃんの合戦シーンは本当にリアル。たぶん、実写で同じ規模の合戦を撮影すると会社が傾く可能性があるだろうし、あの規模の合戦は最盛期の黒沢明が撮れるかどうかではないだろうか?

まあ、実写にしちゃって残念な結果になったのだから……、仕方ないね。

■名前にいての豆知識

しんちゃん一家以外で、特に合戦のシーンに欠かすことのできない男が「井尻又兵衛由俊」だ。「いじり? おまた?」としんのすけに笑われたが、又兵衛は笑って許すほど器が大きい。

余談だが、昔の日本人の名前はすごく面倒くさくて、「由俊」は「いみな(諱)」として、呼んではいけない部分なのだ。有名人だと織田信長だが、敬意をこめて信長様と呼んでしまうと、殺されても仕方がない。官位や役職や通称が、苗字(織田)と名前(信長)の間に入るので、それを呼ぶのが正解である。タイムスリップしたときに知っていると役に立つ豆知識ね!

■合戦解説「槍衾」

合戦のシーンで、まず感動したのが「槍」の使い方だ。槍は刺すものだと思っている方も多いだろうが、実際は「叩く」ものなのだ。両軍入り乱れて互いに槍で刺しあうような戦いを普通はしない。

集団で固まって、敵の方へ槍の刃先を向けているだけで「槍衾(やりぶすま)」という戦法になるのだ。槍衾は兵士個々の恐怖心が薄れるし、槍さえ持っていれば死ににくいので、兵士は槍衾の陣形を崩すことはない。

農民が兵士として徴兵された場合、逃げないように管理するのが将の務め。又兵衛は「井尻様」と兵士に慕われており、又兵衛に続けと兵士たちが奮起するので、将としての器量はかなり高いと分析できる。

次に続きます。すいません。もう少し書かせてください(-_-;)

(あにぶ編集部/もく)

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