【現地ルポ】香港民主化デモにCIA関与の可能性が浮上 (3/3ページ)
同時に「冷静得民心」「勿忘和平初衷(平和を望む初心を忘れるな)」「避免流血衝突」と警察を挑発せず、平和的なデモを呼び掛けるビラが目立つ。参加者に無料で飲料を配るテント、シャワーや医療サービスを提供するボランティア、ゴミの分別収集所。香港社会の成熟度を誇っているように見える。
女性デザイナーのティンさん(22歳)は「デモ参加で失職した人、収入が途絶えた仲間もいるけれど、金儲けばかりではいけないと思う」と静かに語る。香港は芸術や政治に夢見る若者を「理想主義」と叱責する土地柄だという。だが、「香港の文化や価値観を守るため、今は精一杯主張することが大切だと思う」。
政協委員を解任された田氏の弟、田北辰氏は全人代代表を務める大物だ。「和平占中」によるデモを非難する政治家の一人でもある。
「彼らは民主主義のためではなく、独立のため闘っている。これは主権の問題なのだ。和平占中は完全な民主主義を要求しているが、それを認めることができるのは独立国家だけだ」(ロイター、10月30日)
デモ参加者と驚くほど認識は同じなのだ。だが、こうも言う。
「中国が和平占中の背後には外国勢力と政治的影響があると宣告した以上、事態は国家安全保障上の問題へと進展した」
サイモン氏へのハッキングは中国政府の仕業なのか。本当にCIAの関与はあるのか。少なくとも香港メディアの一部は事実と認定し、「香港は国家安保上の問題」になった。一方、ピーク時に10万人が集結したという「真的普選」を望む人々。中国政府の次の一手によっては、本格的に独立志向を強めることになるだろう。民主派と親中派の分裂が一段と明確になったことは間違いない。
http://n-knuckles.com/case/img/demo0203.JPGWritten Photo by 谷道健太