これぞリアル・テラフォーマーズ!米軍がサイボーグゴキブリを開発中

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ゴキブリに襲われる日が来るかもしれない
ゴキブリに襲われる日が来るかもしれない

 昆虫を兵器化する! そんな突拍子もないことを米軍は計画している。それが国防高等研究計画庁(DARPA)とカルフォルニア大学バークレー校の研究者が進めているHI-MEMS(Hybrid Insect Micro-Electro-Mechanical Systems)計画だ。

昆虫をそのままデバイス利用して偵察機に

 これは昆虫の神経節とICデバイスを接続し、昆虫をサイボーグ化し、自由に操作するというものだ。羽根に太陽電池を貼り付けられ、無線受信用のアンテナを神経に接続されたカブトムシ、体温で発電する電池ユニットとリモートコントロール装置を繭の段階で体内に埋め込まれたカイコガなどが作られている。

 そうした昆虫を埋め込まれた電極に無線で刺激を送ることで操作し、まるでラジコン飛行機のように昆虫をリモートコントロールする。

 サイボーグ化した昆虫は、極小サイズの生きた偵察機であり、高度なセンサーを搭載した探査機だ。昆虫サイズで昆虫のように長時間動いたり、効率的に力を出すロボットを作ることは、現在の技術では到底不可能だ。

 生物のエネルギー効率には、人間の技術はまったく及ばない。昆虫の持つ嗅覚や触覚の機能は人間の開発したセンサーをはるかに凌駕している。そこで昆虫をそのままデバイスとして利用しようとしているわけだ。

 基本的な使い方は捜索救助だ。地震などで建物の下に埋まっている人間を、サイボーグゴキブリを使って見つけ出させたり、有毒ガスが発生しているかどうかをサイボーグカイコに調べさせたりする。

 今後は超小型マイクやカメラを搭載して偵察に使うといったことが考えられている。さらにナノテクノロジーを使って、遺伝子レベルで昆虫をサイボーグ化する計画もあるのだそうだ。最終目的はサイボーグ昆虫大隊の編成である。昆虫軍団の完成だ。

 これだけでもSFのような話だが、さすがアメリカというべきか、民間ではゴキブリサイボーグキットが販売されている。バックヤードブレイン社の『The RoboRoach』である。

 大型のゴキブリ(もちろん生きているもの)をペットショップなどで買ってきて、氷水に突っ込み、失神させる。その間に頭部に電子回路を接着(外皮の上からで大丈夫!)、触覚を切断してアンテナになるワイヤーを代わりにつなぎ、通信ユニットを背負わせれば完成だ。ゴキブリにしてみればたまったものではないが、あとはゴキブリを走らせ、付属のリモコンで右ボタンを押せば右に、左ボタンを押せば左に、ゴキブリが曲がるのである。

 ロボコップよりもロボローチ! 販売元のバックヤードブレイン社は、「先生方や親御さん、もしかして学生に最新の神経科学を教えるのに苦労していません? あなた方はラッキーだ! ここに3年かけて開発したロボローチがある!」(意訳)と宣伝しているが、どうなのか。ただのマッドサイエンティストが一丁あがりなだけじゃないのか。

 通販もされているので、科学好きなお子様にクリスマスプレゼントとしていかがだろうか?(ゴキブリはご自分で買ってください、ということです)

(取材・文/川口友万)

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