【競馬予想】ジャパンカップ本命のフェノーメノ…調整過程にも死角なし
【中央競馬・今週の狙い馬】
今週は国際G1ジャパンカップ(11月30日/東京競馬場/芝2400m)。外国馬の参戦は3頭とやや物足りないが、日本勢はまさに“最高峰”のメンツが激突。出走18頭中、G1馬が13頭という史上まれに見る豪華な一戦だ!
2分2秒2…… 世界の壁を感じた、あの年のあのJC
競馬番組のMCさんが「ジャカン・パップ」と口にすると「よく間違うんですよねえ」と出演者の方々が相づちを打つ。そうやねんって、テレビを観ながら僕もうなずいていたっけ。学生時代、ジャパン・カップと聞くと黒船来襲のような妙な緊張感があったなあ。
大学3回生の秋に目標を立てた。地元の関西圏はもとより、関東にも遠征してG1はすべてライヴで応援する。帰省の際にお世話になる青春18きっぷ様にすがりながら、1989年の秋は単身赴任のお父さんさながら東西を往復した。
なにしろ、各駅停車オンリーの旅。夜を徹しての東上で午前中は眠くてしょうがない。それを吹き飛ばしてくれるのが熱気だ。東京競馬場内のテンションの高さは、関西にはない独特のもの。ジャパン・カップの日も例外ではない。
腹の底から「みない~!」(南井先生、呼び捨てでごめんなさい)って叫んで、隣りの友人も同じで。2着……。ホーリックスの勝ち時計、2分2秒2と同タイムなのに。枠連2-2なんて持ってない。オグリキャップの単勝馬券を握り腰砕けの僕の横で、友人がポケットに手を入れる。2が並んだ結末。コンビも明暗を分けていたのだ。枠連の的中馬券を見せて「新幹線で帰ろか」と口角を上げた。奴が2枚目に映ったのはこのとき限りで2度とない。
さて、2という数字が何度躍ったでしょう? などとふざけている場合ではない。先週の天皇賞は、ピックアップした5頭のうち4頭が上位を占めた。とはいえ、中心に据えたフィエロは2着。やはり先頭でゴール板を駆け抜ける馬をまっさきに推してこそ信頼度は増す。難解でメンバーの質も高い今年のジャパン・カップの全体像をしっかり捉えたいと思っている。
フェノーメノはここが照準 総合力も国内No.1だ
各馬従来の脚質を考慮すればスローペース必至。そこを覆すのが、自在性に優れ、地力を持つ存在だろう。フェノーメノは、早い段階から天皇賞―ジャパン・カップ―有馬記念という今秋のローテーションが決まっている。現代の日本競馬において、1頭の馬が勝ち続けるのは難しい。G1のなかでも格式高いステージばかりで、照準を定めるレースがあるのが当然ではないか。
やや薄手に見えた天皇賞と違い、今回は身体に張りがある。陣営はこの戦いに最も的を絞って調整を重ねてきたのではないかと、個人的に考えている。前々での競馬が可能で、ロングスパートに耐え得る心身の持ち主。総合力では国内No.1だと僕は思う。
相手候補は4頭 パワーならエピファネイアも世界級!
ジェンティルドンナの素晴らしさは、一昨年に高速決着の競り合いを制し、上がり勝負の昨年は早めに動いて後続を封印した懐の深さに尽きる。内枠を利して今年も好勝負を演じるのは間違いない。
4歳牡馬は他世代に比べ劣勢なのは否めないが、パワーならエピファネイアはワールドクラスだろう。発馬を決め、先行策を取れば平均的にスピードを持続する形に持ち込むことができるはず。スミヨンのスタイルにマッチするように感じる。
デニムアンドルビーは馬群で闘志を掻き立て、長くいい脚を使う。ディサイファは前走が不完全燃焼に終わっており、末脚比べになれば引けは取らない。
- 藤村和彦(ふじむらかずひこ)
- 競馬解説者。1992年から2010年までデイリースポーツ社で記者、デスクとして中央競馬を担当。現在は、週刊『競馬ブック』誌上での「藤村和彦のインタビュールーム」連載、ラジオ関西「競馬ノススメ」(毎週土曜16時30分〜17時)レギュラーなど、フリーで競馬予想、競馬解説、コラム執筆などの活動をしている。
- 公式サイト/netkeiba.com|No.1予想 藤村和彦
(Photo by lunapark0531)