日本一アートな廃墟に潜入!グラフィティの聖地が人里離れた森の中にあった

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人里離れた廃墟がグラフィティのパラダイスに(写真/村田らむ)
人里離れた廃墟がグラフィティのパラダイスに(写真/村田らむ)

 神奈川県に、グラフィティのパラダイスがあると聞いて、さっそく出かけてみた。グラフィティとは、スプレーやペンを使って、街の壁や公共物、電車などに描くアートのことだ。

 バスキアやキース・ヘリングなど有名なアーティストもいるけど、やっぱり非合法。渋谷などの繁華街では問題になっている。

 グラフィティが描かれる場所は基本的に繁華街なはずだが、地図に示された場所は、全然都市部ではない。東京からドンドン海沿いに西に進んでいき、最後は丘に登っていく。まったくもって都会ではない。というか風景はどんどんジャングルみたいになってきた。

 地図上では現場に着いたはずなのだが、全然それらしき建物は見つからない。困ってしまってウロウロしていたら、草の中に埋もれたコンクリートの壁を発見。

 そこには太陽のマークが描かれていた。反対側に回ると、無骨なコンクリートの建物が見えてくる。柵はなく、地面まではかなりの距離がある。草で隠れて見えなかったけれど、崖沿いに4階建てのビルが隠されていたのだ!!

 4階部分から中に入ると、うず高く積まれた缶が目に入る。全て、スプレー缶である。ここで絵を描いた人たちが置いていった缶なのだろう。

廃墟に息吹をもたらすグラフィティアート

 そしてビル内は、圧巻である。細かく区切られたビルの全ての壁に、グラフィティが描かれている。打ちっぱなしのコンクリートの退廃的なムードも手伝って、かなりかっこいい空間だ。たまたま、映画撮影に来ている人たちもいた。ここで撮影したいと思う気持ちはよくわかる。

 街でよく見る文字を崩して描いたグラフィティや、人気キャラクターを描いたもの。アート色の強い作品まで様々ある。どの作品もレベルが高い。眺めているだけで、楽しい廃墟である。

 しかし、ここがそもそも何のための施設だったのかが気になる。なぜこんな山の中に、4階建てのビルを建てようと思ったのだろうか?

 少し調べてみたところ、なんとそもそもはバーベキュー施設の予定地だったという。建物があらかた完成した後、安全性から使用不許可になってしまい、そのまま放置されてしまったのだという。

 確かに、この廃墟の目の前は海が広がっていて、バーベキューをしたら楽しそうである。しかし、もったいない話だ。

 バーベキュー場になれなかったビルは、グラフィティのパラダイスとして、今もひっそりと生きながらえている。

(取材・文/村田らむ)

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