テレビを愛し続ける『人間力』 鈴木おさむ(放送作家) (1/2ページ)

日刊大衆

テレビを愛し続ける『人間力』 鈴木おさむ(放送作家)

「仕事って代わりの人でも出来ると思うんです。でも、自分しか出来ないと思う気持ちと、責任感。それが生きている意味なんじゃないですか」

テレビ番組を作るって本当に異常な仕事なんですよ。
タレントさんに無人島に行ってもらったりとかしていますけど、本当に食事とかを一切、用意してなかったりしますからね。ほかにも、トマトだけ食べて3日間生活をしてもらうとか、ヤギと一緒にマンションの一室で、1週間、ヤギのミルクだけで生活してもらったり。

テレビだから笑えますけど、これを実際にやっている人がいたら、ただの馬鹿ですよ。
でも、大変なのはタレントさんだけじゃないんです。テレビでこれだけは、やっちゃいけないということがあって。それは出演者にケガをさせること。だから、事前にスタッフがやるんですよ。"トマト生活"のときは、ディレクターさんが、タレントさんに企画のプレゼンをしたんですけど、"あなたに3日やらせるから、ぼくは1週間、トマトだけ食っていました"って7キロ痩せたらしく、フラフラになりながら、口説くんですよ。そこまで言われたら、誰も断れないじゃないですか。その人って、テレビ業界ではすごい熱意があって優秀な方なんです。でも、傍から見たら、ただの馬鹿ですよね。

でも、テレビという異常な世界を作り出すためには、異常な根性がいるんです。
ぼくが、まだ24、25歳のとき、すごくお世話になっているプロデューサーさんの奥さんのがんが再発してしまったんですが、彼はそれをずっと隠していたんです。ある日、どうしてもその日にしなくてはならない打ち合わせがあって、病院に呼ばれたんです。毎週、放送があるから、その日を逃すと間に合わないんですよ。わーっと打ち合わせして、帰ろうとしたら、"ちょっとだけ、奥さんと会ってやってくれ"って言われて、病室へお邪魔したら、危篤状態だったんです。その次の日に、亡くなられました。

すごい残酷ですよね。奥さんが死んじゃうかもしれないのに、それをおくびにも出さないで、自分がいまやらなければならないことだと信じ、ぼくと1時間打ち合わせしていた。
当時のぼくは、その人しかできない仕事だと思っていましたけど、ぶっちゃけた話をすれば、その人がやらなくても代わりの人でも出来ると思うんですよ。

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