【今や球界一の人気者に】ヤクルトのマスコット、つば九郎の激動の1年を振り返る
今年もいろいろあった野球界。特に、プロ野球誕生80周年、巨人軍創設80周年、甲子園開場90周年など、メモリヤルな話題が多かった。そんな一人(一羽?)がヤクルトの球団マスコット、つば九郎だ。1994年のマスコットデビューから今年が20周年。成人(鳥)を祝した記念イベントが続いたほか、いつも通りのお騒がせ体質で話題を振りまいてくれた。そんなつば九郎の1年を振り返ってみよう。
キャンプ不参加! 波乱の幕開けつば九郎
デビュー20周年を迎えたつば九郎。そんなメモリヤルイヤーなのに今年1月末までに契約更改がまとまらず、通常は球団とともに沖縄入りするキャンプが、神宮での自費キャンプでスタートするという波乱の幕開けとなった。
といっても金額で揉めたわけではなく、4月に開催するデビュー20周年を祝うイベントの詳細が決まらなかったため。そして、そこまでこだわったイベントは「つば九郎20周年記念プロジェクト」と銘打たれ、「つば九郎成人(鳥)式」や「つば九郎バースデーパーティー」など連日スペシャルイベントを開催。セ・リーグ5球団のマスコット陣からお祝いメッセージが届くなど、球界全体がお祝いムード一色だった。
また、20周年記念本『成鳥 つば九郎』や、今年同じくデビュー20周年を迎えた中日のマスコット・ドアラとのコラボグッズなど、さまざまな記念グッズが発売され、最下位だったチーム事情とは裏腹に明るい話題を振りまき続けた。
行方不明の先輩発見&謎のマスクマン登場……周辺も賑やかなつば九郎
1994年3月のスワローズ激励会で初お披露目され、同年4月9日の阪神戦で公式戦デビューを果たしたつば九郎。じゃあ、それ以前はヤクルトにはマスコットはいなかったのか? といえば然にあらず。先代マスコットとして「ヤー坊」「スーちゃん」という2体のマスコットが活躍していた時期があった。
つば九郎人気の影に隠れる形でいつの間にか姿を見なくなり、長らく行方不明とされていた「ヤー坊」「スーちゃん」。ところが今年2月、偶然その存在が発見された。発見場所は沖縄県浦添市。浦添市から浦添署に貸し出され、飲酒運転根絶を呼び掛ける際に使用したツバメの着ぐるみがつば九郎に似ていたことから「なんちゃってつば九郎」としてネットで話題になり、球団が市に問い合わせたところ、行方不明だった「ヤー坊」であることが判明したのだ。
実は2003年3月に、浦添キャンプの記念としてヤクルト側から「ヤー坊」と「スーちゃん」の着ぐるみを浦添市に寄贈。しかし、担当職員が交代したことで寄贈の経緯や正式な名前がわからなくなり、“謎の鳥”として市役所の倉庫でずっと眠っていたという。
一方、長年つば九郎とともにチームをもり立ててきたマスコットの燕太郎が5月4日の試合で突如引退を発表。そして、燕太郎に代わって謎の覆面マスコット「トルクーヤ」の入団が発表された。
「メキシコ出身の覆面レスラー」という設定で現れたものの、「中身は燕太郎のままじゃ……」と物議を醸してくれたこのトルクーヤ。ただ、デビュー時以降は大きな話題を集めることもなく、つば九郎以上のインパクトを残せたかといえば正直なところ物足りなさは否めなかった。
来季はロッテに移籍? 去就が注目、つば九郎
今月16日、ロッテ山室晋也球団社長が緊急会見を開き、FAでヤクルトに移籍した成瀬善久投手の補償として、「つば九郎がプロテクトされていない」と人的補償ならぬ“鳥的補償”を求めるプランを披露した。
「個性のあるキャラクター。ウチのはのんびりしているのでカツを入れてほしい。いい条件で迎え入れたい」と3年契約を提案。ちなみにその内訳は、1年目は「チョコパイ」、2年目は「コアラのマーチ」、3年目は「パイの実」と、ロッテの人気お菓子が年俸代わり。ただ、つば九郎は甘党ではなくビールが好物。そのため、「優勝したら、しこたま飲ませてあげたい」と出来高に加える念の入れようだった。
なぜここまでつば九郎にこだわるかといえば、ロッテの観客動員数が2年連続で12球団ワーストを記録。人気回復の起爆剤が欲しいのと、現在のロッテ球団マスコット「マーくん」が特に芸もなく、また近年ではヤンキース田中将大の活躍もあって、「マーくん」と言うと田中のマー君と勘違いさせ、周囲をがっかりさせることが多いからだ。
ヤクルトの球団社長が即座に否定したことからこの移籍劇は実現しそうもないが、つば九郎の存在の大きさを改めて感じさせる一件となった。
ヤクルト内にとどまらず、球界のご意見番としての存在感も高めているつば九郎。来季はいったいどんな事件やトラブルで球界を騒がせてくれるのか、今から楽しみでならない。
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