セガサミー会長宅銃撃事件から見る裏社会最新事情「あれは警告という意味」 (2/2ページ)
だからどこも自分の組織を守る事で精一杯じゃないか?よその事に口出しする余裕なんかないだろ。今はどこもシノギが苦しいから自分のところの若い衆を面倒見切れず、よそへ"養子"に出すようなことも増えている。だからシノギがうまい組織がどんどん優秀な人間を集めている」
ーーヤクザにも格差が広がっているわけですね。
「うちの組は100人いないんじゃないか。どんどん減ってるよ。今は組長クラスはともかく、ヤクザやってる古い人間は、辞めても今まで無理言ってた人間から逆に追い込み喰らったりして悲惨な現実が待っている。もはや何もすること無いから、ヤクザを続けてるような連中も増えている。実際に借金するだけがシノギだと言っている人間も大勢いる」
ーーでは、"現在の勝ち組"のヤクザとはどんなシノギをしている連中なのか。
「うまいこといってるのは、IT関係と絡んでいるところだな。あとは金融に強い組織。たとえば、税金をかからないようにタックスヘイブン(租税回避地)を利用して、消費税の差額を得るとかな。そういう金融知識を使って大きく稼いでいるところは勢いはあるよな。その代わり、いくら儲けていても、架空請求とかの詐欺やってるヤクザはどうかと思うがね」
ーーだが実際、食えなくなったヤクザが「特殊詐欺」に手を出すケースは増えている。
「あれは駄目だろ。俺だって任侠精神で弱き者を助けとかそんな綺麗事を言うつもりはないよ。実際、カタギにたかって金にしてきたんだからな。だけど"詐欺"はしたことがない。ヤクザやってて、人を騙すというのは一番いけない事だからな」
格差にあえぐ者にも誇りはある。人の道を踏み出すことはできない。そんな不器用なヤクザには生き辛い時代になっているようだ。
Written by 西郷正興
Photo by ザ・ヤクザ