2025年には5人に1人が認知症に!老々介護が進む中、監督責任ってどこまでやればいいの?! (3/3ページ)
男性の妻の状況も考慮すれば、相当の監督をしているとも思えるのですが、判決は、出入り口に設置されていたセンサーのスイッチを作動させていなかったことから、男性の妻の監督に不十分なところがあったと認定しました。
このセンサーは、どうやら以前から事務所来客用に設置されていたものであって、男性の監督のために敢えて設置したものではないようですが、このセンサーを作動させる義務まで認めて良いのか疑問があります。
本件を離れてしまいますが、もしこのようなセンサーがなければ、監督のためにセンサーを設置するなどして出入りを全て把握する義務や、外出するときは例外なく常に同行しなければならない義務を観念できるのか、無断外出をさせてしまった場合にどのように対処すれば良いのかという疑問も生じます。
判決は結果的に不可能を強いているのではないか、という印象を払拭できません。
なお、このように、本件は男性の妻に監督義務者該当性を認め、監督義務違反を認めたことは、男性の妻への負担が大きいと考えますが、判決は、損害賠償責任の金額について、公平の見地から、男性の遺産額に触れ、男性の妻の監督を肯定的に評価しつつ、JRの損害の5割に止めました。