お前らそれで何で付き合ってないの！？と思わず叫びたくなる作品『月刊少女野崎くん』。癖のあるキャラクターたちが無自覚にイチャイチャするシーンが非常に面白く、またもどかしくもある不思議な作品です。

　そんなクセだらけの集団で、一際エッジの効いた人物が「瀬尾結月」。スポーツ系の部活に助っ人として呼ばれ、唯我独尊的ラフプレイを、正規部活メンバーの反面教師として活用されている瀬尾。ただし本人は全く気にしていません。なぜなら周囲の自分に対する評判に関しては、ほとんど気にしない性格だから。ところが、例外はやはりあるもの。後輩・若松の言動にだけは取り分け強く反応してしまう、可愛らしく女の子らしい一面もあります。今回はそんな「瀬尾結月」の魅力について紹介したいと思います。


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■周りに気を配って空気が読めて完璧なチョーいい女！

　見出しの通りだったら良かったですね本当に。見出しは瀬尾の自評です。実際は全く違います。周囲に気を配るどころか、常にわが道を行く瀬尾。周囲の友人たちに対しても、余計なひと言を発して怒られることがしばしば。部活動でも助っ人に呼ばれますが、呼ばれる理由は彼女の高い身体能力ではありません。その自己中心的な性格から来るハイパーラフプレイを部活メンバーに見せ、反省を促すための反面教師として活用するためなのです。

　こう書くと非常に嫌な女性となってしまいますが、瀬尾、意外と友人は多いです。その理由は、彼女が裏表が全くない実直な性格だからだと思われます。また、率直な意見を物怖じせずにハッキリと言ってくれるという点も周囲からは好評なのでしょう。

■声楽部のローレライ！あだ名の通りに生徒を惑わす！

　カラっとした性格以外に彼女の特筆すべき点がもう一つ。それは「歌」。彼女は声楽部に所属しており、非常に華麗な歌声を披露してくれます。その姿は普段のがさつな彼女からは全く想像ができません。故に「声楽部のローレライ」という謎の存在として、学内では認知されています。

　もっとも彼女自身は、自分がローレライだと公言していません。なぜなら「声に惹かれてやってきた自分のファンがショックを受ける姿を見たいから」だそうで。なんとも極Ｓな思考。これまでに、ローレライに惑わされてきた学生（主に男子）が犠牲者を増やそうと正体を話さないことも加わり、ますます謎の女性として扱われています。瀬尾本人からすれば、人をからかって楽しめれば良いみたいですね。

■自覚の無い好意。拗ねる姿は意外と可愛い？

　色々な人をからかい困惑させる瀬尾ですが、取り分け絡むのが若松。部活でも学校帰りでも休日でも。・・・いつも絡んでる？

　さて、被害者・・・もとい良き遊び相手の若松は、これ以上絡まないでくれという意思表示も兼ねて反撃しているつもりですが、瀬尾からすれば自分になついている忠犬としか映りません。絡めば絡むほど良い反応を返してくれる上に、基本的に避けられる自分に正面から向かってくれる若松は特別な存在なのでしょう。

　おまけに彼はローレライのファン。つまり瀬尾のファンという訳。若松は正体をまだ知らないので、瀬尾の前でもローレライを褒めちぎります。瀬尾からすれば、自分の事を女神と称してくれている訳です。そりゃあ誰だって良い気分になります。だから益々若松に絡むんですね。わかります。

　逆に構って貰えないと拗ねて歌う気を無くしてしまう瀬尾。基本、人をおちょくって楽しんでいる瀬尾が、他人に心を乱される姿というのも珍しいですね。やはり、気になる相手には構ってほしいのでしょう。相談と称して若松と会話を楽しんだ後は、元気いっぱい！それこそ若松が「非常に迷惑だ」とげんなりするくらいに。視聴者からすれば、そんなところがとても可愛くみえてくるのです。

　周囲の目を気にしない大胆さと、他人をからかうのが好きなトリックスターとして活躍する瀬尾。彼女の存在が物語を更に加速させ、ギャグをヒートアップさせます。しかし、後輩の言動を結構気にしていたりする点は中々可愛らしい。彼女もまた野崎くんキャラクターらしく、魅力的なギャップをたくさんもった人物なんですね。


【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】


★記者：羽野源一郎（キャラペディア公式ライター）

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