【日本人拘束事件】海外での報道はこうだった<スペイン編>

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先日起こった痛ましいこの事件、ここバルセロナの日本人の間でも当初から話題になっていました。わたしもインターネットのニュースを通じて動向を追っていましたが、本当に残念な結果でした。 湯川さんと後藤さんお二方、そしてヨルダン空軍パイロットの方のご冥福をお祈りし、残虐な事件や争いが少しでもなくなることを切に願います。

スペインの一般紙「el periodico」では

出典: el periodico

スペインでも1月の終わり頃から、“イスラム国”が2人の身代金を求めているという記事がコンスタントに報道されていました。
ちなみに“イスラム国”は、スペインでは“El estado isalamico”と表記します。

出典: el periodico

こちらは、後藤さんについての記事の一覧です。
釈放を求める会見の様子から、タイムリミットの通告、殺害が実行されたというニュースなどおそらく日本での報道と同じ流れで、事実に基づき伝えられていると思います。
こちらのニュースや新聞記事などで特徴的なのが、残虐な映像も処理されることが少なく公になっていること。そして、イスラム国から送られてきた映像を描写も日本のメディアよりも踏み込んだところまでなされています。

もうひとつの有名な一般紙である『el mundo』では、「スペインは後藤さんへの卑劣な殺人という結果を嘆き、国際連合を通じてこのテロ組織を撲滅するとし、外務省は日本やテロリズムと戦うシリアやイラクの一部との連帯を改めていくとも表明した。」というような一文も。

後藤さんのツイッターについての記事

出典: el periodico

2010年9月の後藤さんのツイートが2万以上のリツイートされたという記事。
「シエラレオネ、アフガニスタンやイラクで苦しんでいる子どもたちに寄り添い、尽くした後藤さんの寛容さが表れたこのメッセージは、日本中のツイッターユーザーに共感を呼んだ」と書かれています。

しかし、イスラム国がスペインを制服する報道も

出典: teinteresa.es

去年8月にアップされた記事ですが、“イスラム国”が5年のうちにスペインとポルトガルを制服すると言っているという内容。
今回、調べてみるとイスラム国はすでにスペインのアンダルシア地方を自らの領地として定めているそです。もちろんそんなことは認められていないはずですが、一般市民としてはやはり怖いと感じます。

ここ、バルセロナにもイスラム国のメンバーが入ってきて、若者を洗脳し連れて行ってしまうなんて記事もあったので油断できません。


ただ、生活していてテロやイスラム国がらみで物騒という印象はあまり感じられないのが現状です。わたしが鈍感だからかもしれませんが、日本人以外の人との間で今回の事件について話題にのぼることも、今のところありません。
モロッコやパキスタン系などのイスラム系移民の多いバルセロナ。彼らに対しての表立った攻撃や圧力などは感じられませんが、もしかしたら本人たちは何か変化を感じているかもしれません。

また、一時帰国するトルコ人の友人は、パリでの事件があった後なのでスペイン再入国の時が厳しいかもしれないと心配していました。もちろん、彼女はスペインへ入国する権利をもっているので問題ないはずなのですが、当人としては心配でしょう。

最後に、わたしが旅先で出会ったムスリム(イスラム教徒)の人達もとても親切でフレンドリーで信仰深い人たちばかりでした。
一部の過激な人たちのために、こういう関係ない人まで巻き込んでしまうのは、本当に辛いことだなと感じました。

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