【未解決事件の闇14】女性編集者失踪・Xの反撃と八方ふさがりの捜査 (2/2ページ)
「無罪判決の後、今後、Xには一切手を出すな、というお達しがありました。そりゃ上層部からすれば、触らぬ神にたたりなしということでしょう。自分が任期にある間は「人権侵害だ」とかそんな風に訴えられたりして不祥事になるのは勘弁ってことなんだと思いますよ」と元捜査員は言った。
別件とはいえ無罪になったのだ。捜査目的でXと接触するのはやめておけということだ。三重県警の管轄エリアで未解決事件が多いのは、上層部のこうしたことなかれ主義もその一因を造っているのだろうか。無理な捜査をやって問題を起こすよりは、放っておけということかもしれない。
一方、県警のマンパワー不足が原因ではないかという話も聞いた。先の元検事は言う。
「無罪判決や日弁連の警告が捜査に関係したか? 関係ないんじゃないですか。任意で話さなくなったから、別件で身柄を確保したわけです。任意で拒否されたらそれまでです。張り込みはやれない理由はないでしょう。しかしそこはマンパワーの問題もあるでしょう。日々事件が起こっているんですから」
県の広さと人員の不足がXへの追及の矛先を鈍らせているというのだ。
Written Photo by 西牟田靖