淫らな行為を動画で保存…「韓国型美人局=サイバー花蛇」急増の背景

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経済停滞で詐欺犯罪が跋扈する韓国
経済停滞で詐欺犯罪が跋扈する韓国

 韓国でもっとも多いとされる犯罪は詐欺だ。これは、韓国警察当局やWHOの統計で明らかになっているが、ここ数年も同じ傾向にある。

 毎年、さまざまな形の詐欺が流行する韓国で、最近特に被害が拡大しているのが交通事故を装った保険詐欺だ。金融当局の調べでは、ここ3年で同様の犯罪が急増。約10組の保険金詐欺グループが検挙されており、そのグループの起こした事件だけでも被害額が約2億円にのぼるとされている。彼らは自動車に数人で乗り込んで故意に事故を起こし、治療費の名目で保険金を詐取するのを主な手口としていた。検挙された51人の容疑者のうち、実に86%にのぼる44名が20代で、いずれも無職者だった。

だますほうも、だまされるほうも“負け組”

 2013年上半期に起きた保険金詐欺全体の傾向でみると、容疑者として検挙された数がもっとも多かった世代は50代で、歴代最高の約35%を記録した。20代の割合も約2割増加しており、60代以上の世代も11%を上回った。

「韓国経済の停滞と詐欺事件の増加は無関係ではない。50代以上の世代や20代の若者がともに保険金詐欺の主要な担い手になる背景には、リストラによる早期退職や就職難があるのではないか。その証拠に、詐欺犯の多くは大金を稼ぐためではなく、生活費を稼ぐために犯罪に手を染めている」(韓国経済紙記者)

 交通事故による保険金詐欺同様に、被害が拡大しているのが起業詐欺だ。2014年末、起業を望む人たちから約7億5000万円をだまし取ったとし、詐欺グループが検挙されている。この詐欺グループは大手飲食チェーンと提携しているように装い、「無店舗での食品の製造、卸し販売が可能」という誘い文句で投資金を詐取していた。最終的に、投資金を騙しとられた被害者は8000人以上にのぼったという。こちらは、保険金詐欺とは違って、就職難や生活苦への不安に対して詐欺犯がつけ入った手口と言えなくもない。だますほうも、だまされるほうも経済的困窮や将来への不安があるのだ。

恐喝や脅迫行為も! 韓国版美人局=サイバー花蛇

 一方、詐欺といえばむしろ、韓国ではインターネットを使った詐欺被害の拡大が顕著だ。サイバー関連の事件のうち、実に7割近くが詐欺事件という統計がある。特に携帯電話に虚偽の情報を送り入金させようとする、メール詐欺、スミッシング(SMSフィッシング)詐欺が横行している。日本ではアダルトサイトや出会い系サイトの利用料支払いを促すメール詐欺が多いが、韓国では税金や駐車違反の罰金など、公的機関からの支払い要請を装う手法が流行しているという。

 またインターネットによる詐欺が脅迫、恐喝にまでおよぶケースもある。その典型例が“サイバー花蛇(コッペム)”による被害だ。花蛇とは、日本で言うところの美人局。その活動の拠点がインターネット上になっていることから、サイバー花蛇と呼ばれている。

「サイバー花蛇の手口で多いのは、チャットやスカイプでお互いに淫らな行為を見せ合おうと誘い、実際に行為に及ぶと、その姿を動画で保存しておいて後に金品を要求するというものです。韓国のチャット、メッセンジャーアプリには『私と裸になって楽しみましょう』という類の書き込みが多いですが、これらは“サイバー花蛇”の罠である場合が少なくありません」(韓国人弁護士)

 日本ではリベンジポルノが問題になっているが、韓国ではさらにその動画を詐欺や強迫の手段として使う傾向にある。また“サイバー花蛇”に限らず、女性やその背後にいる組織による美人局の被害は拡大傾向にあるそうだ。最近では、芸能人相手に金を巻き上げようとする女性たちの犯行や、財閥の子息を狙った美人局、詐欺事件が後を絶たない。

 スマートフォンの普及率が高い韓国では、今後もインターネットを使った新しい詐欺が普及すると見られており、政府や企業関係各所は利用者に注意を促している。

(取材・文/中川武司)

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