【人を思いやるということ…】ヤクザを泣かせた子どものお話 (2/2ページ)
その男は、顔に大きな刀傷があり、みるからにやくざだとわかるチンピラ風。
昼間から酒の臭いをプンプンさせていた。
ぐでんぐでんに酔っぱらっていたその男は、私の息子のすぐ横に座った。
男はふっと顔をあげると、座った目で私の息子をじーっと見つめた。
私はドキドキしてきた。
まさかこんな幼い子どもには手を出したりはしないだろうけど、
でも、こんな泥酔状態じゃ、普通の精神状態じゃないだろうし。
どうしよう!
私は心の中でつぶやいた。
なにもなかったように、アイスクリームを食べ続けてはいたが
もう味などわからなかった。
男は5歳の息子の肩に手を置いた。
やばい・・・
どうしよう・・・
へたに席をたったら、何をするかわからないし。
しかし・・・男は凶暴ではなさそうだ。
5歳の息子を相手にくだを巻き始めた。
やくざ 「おめえはいいよなあ、まだ子どもだからよ。わかんねえだろうけどよ。おれの女がいなくなっちまってよお。」
そうりゃあ、わからないにきまってる!
そんなことで子どもをうらやましがるな!
と突っ込みたかったが・・・
どうも男は女にふられたらしかった。
よっぽど惚れていたのだろうか。
それからも、ぐちぐちと女のことを話し続けた。
息子は何を言われているのか、チンプンカンプン。
ただ黙って横でアイスクリームを食べ続けている。
すると、何を想ったのか、やおら男は懐から財布を取り出して千円札を出した。
やくざ 「おめえは、いい子だなあ。ほれ、小遣いやるよ」
そういうと、男は息子に千円札を息子に渡したのだ。
話を聴いてくれたカウンセリング料とでもいうのか??
まあ、酔っぱらっている勢いだろうけど・・・
私はヒヤヒヤだった。
息子に返すように言おうか、迷った。
私が、結構です、などと言ったら逆上するかもしれない。
ぴったりつくように、男は息子の横に座っている。
へたなことは言えない。
どうしよう・・・
そう想った時だった。
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その後の5歳の子供の行動は、私たちが普段、忘れかけているものを教えてくれるものでした。
果たして目に写っているのは、
酔っ払いのやくざなのか、ただ心を痛めている可哀想な人なのか。
同じような状況に陥ったとき、あなたならどうしますか?