「遺品整理までが葬儀」と考えると、ゆっくりと自分のペースで別れを告げられるかもしれません (2/2ページ)

心に残る家族葬

必要に迫られなければ今後も祖母の部屋は片付かないままだっただろうから、これでよかったのだと私は思った。

■遺品整理までが葬送

母からようやく祖母の遺品整理が終わったと連絡を受け、母がもらいうけた遺品の一部を運ぶ手伝いをした。そのときは、片づけに10年以上もかかったのだから、こんなことなら最初に業者に依頼すればよかったのにと思った。
しかし納得して後悔なく遺品を処分できることが遺族にとって大切であり必要なはずだ。遺品整理を通して故人に別れを告げることができるからだ。そのためには長い年月が必要な場合もある。私たちの場合は10年余りかかったがこれは必要年数だったのだと今は思う。それ以来、葬儀だけではなく遺品整理をするまでが葬送なのではないかと思うようになった。

■葬儀の後の1つの儀式、それが遺品整理

後日、祖母の遺品に含まれていた作りかけのコートに関し、それを気にしていた伯母が、念のため、製作を依頼してくれた祖母の友人宅に連絡を入れたようだ。その友人も既に亡くなっていたことがわかった。そうなるともう地上の遺族同士ではどうにもできない。しかしそれについては既に天国で本人同士、話をしていることだろう。同じころ、遺品の中から私が幼いころに着た覚えのあるセーターが出てきた。祖母が私のために編んだセーターだった。今は母が、祖母との思い出の品として自室に保管している。そのとき、祖母の遺品が、ただの故人の遺品から思い出の品に昇華された気がした。
遺品整理とは、葬儀の席で故人に別れを告げられなかった(故人の死を受け止めきれなかった、受け入れられなかった)人間が、ゆっくりと本人のペースで故人に別れを告げることができるものなのではないかと思えた。
遺品整理、それは葬儀の後の一つの儀式のようなものだと思う。

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