750円で身分証が作成可能…偽造IDのクオリティがスゴすぎる!
バンコクのカオサン通り名物といえばニセ学生証。世界中の旅人が集まるといわれる300メートルほどの通りには怪しげな露店がひしめきあっており、そのなかのひとつにニセ学生証を発行する出店もある。
10年ほど前までは粗悪な作りで、ひと目で偽物とわかるものも多かったが、昨今ではクオリティが予想の斜め上をいくものになっているという。
実際に訪れてみると露店には見本がズラッと並んでいる。
インタビューが難しいようなので「一枚作ってくれ」と客になってみたところ大歓迎された。筆者は数年前に同じ露店でジャーナリストパスを制作していたので、同じデザインのものを注文してみた。
わずか1時間で発行
金額は1枚800バーツ(約2400円)というが、交渉すると500バーツ(約1500円)まで下がった。参考までにほかの値段を尋ねると学生証は250バーツ(約750円)で、ほかはだいたい同じとのこと。
お金を前払いで渡すと、すぐに道端で写真撮影された。パスの色や種類にあわせて背景をセレクトして、被写体の後ろにセット。
流れ作業で準備は終わり、記載するテキスト情報(名前、生年月日等)を紙に書いて渡すだけ。
「1時間したら取りに来て」と言われたのだが、製造現場が見たいのでしばらく見張っていると露店裏のビルに入っていった。追いかけて隠し撮りをしようとすると見つかってしまった。「どうやって作っているのか教えて欲しい」と頼み込むと、「奥にオペレーターがいて、その人物が写真を合成してデータを入力し出力するだけ」と教えてくれた。
1時間が経過して現物を受け取る。
数年前に作った偽造パスと比べると、かなりのレベルでクオリティがアップしていることがわかる。
実はこの露店では、学生証のほかに運転免許証、外国人の在留許可証、卒業証明、社員証、名刺なども作ってくれる。すべて日本のもので、日本語で表記されている。
カオサンで作った複数の偽造IDを利用しているライターのM氏によると、さすがに日本の警察の目を誤魔化すことはできないかもしれないが、使い道はあるという。
「最近だとAirbnbとかで旅行中に現地の人の家に泊まるってシステムがあるんですけど、そのときって家主が身分証を見て審査することもあるんですよ。ほかにも漫画喫茶とか不動産に提出する身分証ぐらいになら使えますね」
簡単な審査などでは十分に通用するということだ。そうなると、役人や警察官以外の目はかいくぐれるレベルということ。提示先を間違えさえしなければ使いようはある。それだけに悪用は厳禁! あくまで旅の思い出として作ることをお勧めする。
(取材・文/丸山ゴンザレス)