【知りたい!イスラム教】国内最大級のモスク『東京ジャーミィ』に行ってみた
ISによる事件を受けて、一段と注目が集まるようになった「イスラム教」。1400年の歴史を持ち、全世界で4人に1人はイスラム教徒という、キリスト教に次ぐ世界宗教です。 そして、日本国内では1万人と少ないですが、16億人のイスラム教徒のうちその【6割】はアジア地域にいるのです。 さらに、キリスト教徒とイスラム教徒の数の差は年々縮まっていて、今世紀中には逆転するのではという説もあるそう。 そんな、意外と身近かもしれない「イスラム教」。一体どんな宗教なのか知っていますか? 「豚肉は食べちゃダメ」「女の人は肌を露出しない」など、日本でフツーに暮らしていると、知っているのはそれくらい。 そこで、都内にある国内最大級のモスク「東京ジャーミィ・トルコ文化センター」で見学ツアーが開催されているというので、行ってみました。

場所は、小田急線・東京メトロ「代々木上原」駅から徒歩10分。井の頭通り沿いにそびえる宮殿のような荘厳の建物です。小田急線車内からも目にすることができます。

入り口はこんな感じ。ドアの上にアラビア語が描かれています。写真撮影をしているひとを、見かけました。

入ってすぐに売店のコーナーがあります。このモスクは「トルコ文化センター」という施設も兼ねていて、売店ではトルコのお土産が並んでいます。

女性が礼拝所に入るときは、肌が見えないように布で覆わなくてはいけません。わたしも、インド土産のストールをここぞとばかりに活用。ちなみにこの場所は、肌を出してOK。

この日は土曜日。毎週土曜日には、子どもたちがコーラン(イスラム教の聖典)を学びにやってきます。難解だと言われるコーランは、先生からの口伝えで耳で覚えるそうです。

見学ツアーが始まりました。案内してくれるのは、広報担当の下山茂さん。
見学者は、小学生低学年くらいの男の子から、外国人、年配の女性まで50人くらい。ISによる事件以来、見学者数が2倍に増えたそうです。

講堂の隅には、本棚と自習スペースがあります。

礼拝所のある2階へ移動します。
左手に見える建物は、旧小学校。イスラム教徒だった俳優の故ロイ・ジェームスが通った小学校で、階下には彼の弟さんが住んでいるそう。
東京オリンピックのときには、ハラル(イスラム法で許される項目。食べ物の場合は、豚肉やアルコールはこれに含まない)の食べ物を用意するために、故ロイ・ジェームスのお父さんが羊を解体し選手の元へ運んだというエピソードも。

いよいよ礼拝堂へ入ります。ドキドキ!

礼拝堂の中は、こんな感じ!高い天井とステンドグラス、美しい装飾がいたるところに施されています。

前列では、男性たちが礼拝を行っています。
イスラム教の礼拝は1日5回。中でも毎週金曜日は皆で礼拝をする日と決められており、多い日には600人ほどの信者が礼拝に訪れます。
礼拝のときに向く方向は、メッカ(聖地)の方向になっているのだとか。

上を見上げると、うっとりするような美しさ。自分がいまどの国にいるのか、忘れてしまいそうなほど。

トルコの花である「チューリップ」や、予言者のシンボル「バラ」などの花が、ステンドグラスや壁画のデザインに隠れています。探してみましょう!

窓辺にコーランが置いてありました。

2階は女性専用スペースです。このときも、数名の女性たちが礼拝中でした。2階からの眺めも素晴らしい!
下山茂さんのインタビュー動画はこちら
出典: youtube
「イスラム教を誤解している日本人が多い」と下山さん。イスラム教を正しく伝えるために、可能な限り取材に応じているそうです。
東京ジャーミィ・トルコ文化センター
見学ツアーやダマラン明けの食事会についてなど、イベントの詳細やインフォメーションは東京ジャーミィ・トルコ文化センター公式サイトに掲載されています。

トルコ文化センターの講堂です。講演会やセミナーなどが行われます。
ダマラン(断食)明けにはここで、150人が一緒に食事をとります。トルコから呼び寄せるシェフによる本格的なトルコ料理が、1カ月毎晩ふるまわれます。一般のひとも自由に参加することができるそうです。
「食べ物に感謝する」「貧しい人たちの思いを知る」などのためのダマランは、年に一度行われ、その後の食事会は毎年6月中旬から開かれます。

美しく重厚な、トルコブルーのタイル。タイルの町として有名なイズニクのタイルを、職人が組み上げたもの。
大理石でできたこのモスクは2代目で、初代は昭和の始めにロシア革命で日本にきた人たちによって建てられた木造のものだったそうです。

下山さんは、ジェスチャーを交えながら、とてもわかりやすく熱心に教えてくれます。キリスト教やユダヤ教、仏教などイスラム教以外の宗教についても、とてもお詳しい。「宗教は幸せになるためのもの」という言葉が印象的でした。
参加者からは、ISなど過激派による事件や紛争についての質問が上がります。下山さんは、イスラム教は決して攻撃的な宗教ではなく、平和を愛する宗教だと強く訴えます。確かに、この日出会った信者の皆さんは物静かで優しい印象の方ばかりでした。
イスラム教は世界宗教であるゆえに、人種も言葉もさまざまで多様であること、さらに、大切だと説いている家族や仲間を愛するという兄弟愛・同志愛のようなものが行き過ぎると、諍いが起きてしまうのだろうかと思いました。
今世界で起きている「アフガニスタン」「イラク」「パレスチナ」などでの紛争には、イスラム教が深く関係している印象を受けます。しかし、例えばパレスチナの問題は、イギリスが蒔いた種をきっかけにして起きたという歴史を、この日初めて知りました。なんだ、悪いのはパレスチナでもイスラエルでもなく、イギリスなの!?知らないことが多すぎます。もっと世界の動向をウォッチしなくては!
こうして、見学ツアーは終了。1時間の予定が、下山さんの熱弁により2時間にもなりました。下山さんの熱意と、参加者の関心の高さがうかがえます。
最後に、下山さんのインタビュー動画を見つけたのでご紹介します。