【IS】紀元前に作られた歴史的美術品を破壊

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【IS】紀元前に作られた歴史的美術品を破壊

ルビーです。今回は見ているだけで心がザワザワする悲しい動画を紹介します。過激派組織ISが博物館に保管されていた古代の石像などを破壊。その模様を撮影した動画を公開しました。コミュニティーニュースチャンネルAJ+が報じた映像を紹介します。

ISが破壊の限りを尽くしたのは、イラク第二の都市モスル

出典: youtube.com/AJ+

モスルは約8000年前から人々が住んでいたとされる歴史ある都市です

モースル周辺は少なくとも8,000年前から人の居住があった。モースルの位置する北メソポタミアよりさらに北の高原地帯(アッシリア)はアッシリア王国誕生の地となったが、その最盛期を迎えたのはモースル周辺を首都とした時代だった。モースルはアッシリアによって、主要都市ニネヴェ(現在のニネワの町)の対岸に当たるチグリス川右岸のクリートの丘の上の砦として創られた。

モスルにあるクユンジクの土塁は、ペルシャ・メソポタミア・シリアを征服した世界帝国アッシリアの最盛期を築いたセンナケリブ王とその曾孫アッシュールバニパル王の宮殿の跡である。またニネヴェは旧約聖書のヨナ書の舞台にもなるなどその名はよく知られている。

出典: ウィキペディア/モースル

旧約聖書にもその名が残るほどの都市で、とても栄えた商業都市でもあるそうです。

「歴史は、粉々になった」

出典: youtube.com/AJ+

その長く素晴らしい歴史を誇るモスルの博物館に所蔵されている、人類の宝とも言える古代の美術品を、ISのメンバー達が次々と破壊していきます。

「ISは、歴史的美術品を破壊し続けている」

出典: youtube.com/AJ+

簡単に倒されて、粉々になる美術品。
この何百年前に作られた像を保存するために、沢山の人々の努力と時間と愛情が費やされたのだろうと思うと、悔しくて仕方がないですね。

「この博物館の美術品の中には紀元前7世紀に作られたものもある」

出典: youtube.com/AJ+

紀元前7世紀(きげんぜんななせいき、きげんぜんしちせいき)は、紀元前700年から紀元前601年までの100年間を指す。

紀元前670年頃 - 最古の「トロイアの木馬」が描かれた「ミコノスの壷(ミコノス考古学博物館蔵)」が作られる。
紀元前660年 - 『日本書紀』によれば神武天皇が即位する(神武元年正月朔)。
紀元前625年 - ナボポラッサルがアッシリアからバビロンを奪取し新バビロニアを建国。

出典: ウィキペディア/紀元前7世紀

日本では、神武天皇が即位したとされる頃。
その頃に作られた像が破壊されてしまったんですね・・・

「彼らの動機 古代の神々のシンボルを破壊する」

出典: youtube.com/AJ+

「彼らの神以外は神ではないし、偶像崇拝は認めない」ということなのでしょうか。

「宗教の名のもとに極めて貴重なモニュメントが破壊されたのは、これが初めてではない」

出典: youtube.com/AJ+

この動画を覚えている方も多いと思います。

「アフガニスタン バーミヤン渓谷の石仏」

出典: youtube.com/AJ+

世界遺産でもあるこの石仏群は、偶像崇拝を禁止するタリバンによって破壊され、この動画は世界中の人々に衝撃を与えました。

2001年2月26日にターリバーンはイスラムの偶像崇拝禁止の規定に反しているとしてバーミヤンの大仏(磨崖仏)を破壊すると宣言した。この声明に対して世界中の政府および国際機関に加え諸外国のイスラム指導者たちからも批判が寄せられた。国際連合総会は全会一致で破壊を中止する決議A/RES/55/243を採択した。

タリバンは批判を無視して3月12日に2体の大仏を破壊した。この際の様子が撮影されており、撮影者もしくは他の人物が「アッラーフ・アクバル」(الله أكبر、「神は偉大なり」の意)と唱えている中を爆破される大仏の映像は世界中に配信された。

出典: ウィキペディア/バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群

「宗教」という名のもとに文化が蹂躙され、世界中の人々がその一部始終を動画で見た最初の破壊行為ともいえる出来事でした。

ISの破壊行為を収めた動画がこちらです ISIS Destroys Statues And Sculptures At Mosul Museum

出典: youtube.com/AJ+

この動画を見ると、悲しくて、悔しくて・・・そして怒りが湧いてきます。

「ISがモスルを侵略したのは昨年の6月」

出典: youtube.com/AJ+

2014年6月9日、武装勢力集団ISIS「いわゆるイスラーム国」がモスルの政府施設などに攻撃を仕掛け占拠。警察署も放火され機能を失い、街全体が武装勢力側に掌握された

2015年1月31日、イスラム国が1月初頭、本を焼くために、イラクのモスル中央図書館を攻撃したと報道された[4]。子供向けの本や詩集、哲学書、医学書、科学書など約2000冊を図書館からトラックで運び出したとされる

クルド民兵組織は、武装勢力集団ISIS「いわゆるイスラーム国」がモースルを占領しているのに対抗して、近隣の石油都市キルクークを支配している。モースルやキルクークはともに石油埋蔵量が多く、勢力拡大の資金源とするためにISISとイラク・クルド双方が必死の武力抗争を行っているが、米英やフランスなどが2014年末からISIS支配地域への空爆やイラク・クルドに武器援助を始めたために、クルド側が有利になってきている。

出典: ウィキペディア?モースル

モスルは、その地理的条件や石油埋蔵量の多さなどから、色々な文明や国が支配した地域なのだそうです。その歴史は、この土地を求める者達によって戦いが続いたという側面も表しています。
戦火の中、身を呈して歴史ある美術品を守った人々は、一人や二人ではなかったことは確かですよね。
今回のISの破壊行為は、その人々の思いや努力を踏みにじる行為とも言えます。
暴力的な破壊行為は、人々の生命や平穏な日常だけではなく、文化や知的財産、そして心の拠り所までも奪い去り踏みつけていく。一方的な思想による暴力の恐ろしさを、実感せざるを得ない動画でした。

その昔、マルコポーロもこの都市を訪れ東方見聞録に書き記したモスル。
大理石が美しいことでも有名で、みなさんが訪れたことのある建物にも、モスルの大理石が使われているのかもしれないですね。
そして、モスリンという薄手の生地のことをご存知でしょうか。あの生地は元々モスルで作られていたもので、名前もモスルに由来するのだそうです。

歴史が長く素晴らしい文化が花開いたこの地に、一日も早く平和が訪れ、人命も文化も守られることを願ってやまないです。

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