【ドバイ生活編】スーパーのノンムスリムコーナーで、希少な豚肉を買ってみた!

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【ドバイ生活編】スーパーのノンムスリムコーナーで、希少な豚肉を買ってみた!

アッサラーム・アレイクム! UAE(アラブ首長国連邦)のドバイからの現地レポートを、ジュメイラがお届けします。 今回は、ドバイの豚肉売り場や豚肉事情についてのお話です。 イスラム教の戒律は、「豚肉禁止」と「アルコール禁止」というのが第一に挙げられます。ドバイではノンムスリム(非イスラム教徒)のために、数少ない限られたスーパーの片隅で、豚肉を取り扱っています。それ以外の肉は、肉売り場で牛肉、鶏肉、ラム肉など、イスラム教の戒律に則って処理・加工された“ハラル肉”が売られています。 余談ですが、アルコール飲料は、スーパーでは買えません。種類免許所持者だけが、街角の目立たない場所にあるリカーショップで買い求めることができます(違法で購入できるリカーショップもあるようですが…)。 話を戻して。 どうしても豚肉が食べたくなった筆者は先日、家から離れたところのスーパーに出向いて豚肉を買いに行きました。

店の隅っこにヒッソリある豚肉売り場

大抵、ドバイにある普通のスーパーでは豚肉は取り扱っていません。Waitrose(ウエイトローズ)やSpinney's(スピニーズ)、Park .n. Shop(パークンショップ)といった値段が若干高めの高級食材を取り扱うスーパーで、豚肉が購入できます。

豚肉売り場は、大体どこの店も、隅っこや奥まった見逃しそうな場所にヒッソリと設置されています。しかも、この写真のように、目立たない場所ながらも目立つように看板が掲げられているのが特徴です。

豚肉売り場に入ると、もう、豚肉のオンパレード!
ベーコン、生ハム、ソーセージといった加工品から、豚由来の成分が入ったカップめん、スナック菓子、缶詰、瓶詰などが陳列されています。

生肉よりも冷凍肉が主流

中に入ると、大きな冷凍庫があります。生の豚肉の取り扱うスーパーもありますが、冷凍肉が主流です。冷凍庫の中には豚のいろいろな部位の肉が。バラ肉やロース肉だけではなく、耳や皮、豚足などもありました。
売り場の広いスーパーだと、豚の生肉がショーウインドーで売られています。

豚肉の入った冷凍加工食品も充実

こちらはグリルするだけで一品できる下味が付いたリブ肉。写真の一番左にはサラミのピザ。ほかにもポークパイなどが。

以下、ムスリム豆知識です(また余談…?)。
ムスリムは豚肉だけではなく、豚由来およびアルコールの成分が入った加工食品や菓子類なども口にしてはいけない戒律で生活しています。そのため、日本に来る敬虔なムスリムは、みりんが入っただし汁や煮物などが食べられず、野菜か魚しか口にできなくて食に難儀しているのだとか…。

こうやってみると日本人の生活に豚肉やアルコールが、どれほど馴染み深いものだったのか改めて思い知らされます。

自宅用にベーコンとスパム、ポークパイを購入

日本でもよく備蓄食品として使っていたスパムやベーコンを購入してみました。安定の味!
冷凍食品のポークパイを初めて買って食べてみたのですが…、モソモソして口の中の水分を取られる感じと獣の匂いで、私の口にはあまり合いませんでした…。

冷凍の豚バラかたまり肉で角煮なぞ…

冷凍肉の豚バラかたまり肉も買ってあったので、豚の角煮を作ってみました。
味付けは日本から持ってきた日本酒を使って。大好きな日本の味!もう、泣けてくるほど美味しかったです。

豚肉が無いなら無いで生活できますが、ある日突然、無性に食べたくなります。
ドバイに居る日本人全員がどうかは分かりませんが、少なくとも私は…。
本来、豚肉を食べるのは日本では当たり前のことですが、購入ルートが限られているドバイだと“豚肉が食べられる”というだけで、ありがたい気持ちでいっぱいになります。

ムスリムが戒律を破って豚肉を食べたら、天国に行けないそうです。
以前、ムスリムの人の本で読んだことがあります。
しかし、豚肉もアルコールも、知らずに飲食してしまって後から気付いた場合は、アッラーは許してくれるそうです。それと飢饉(ききん)などで生命の危機にひんする場合も、豚肉を食べることは許されているのだとか。

そもそも、なぜイスラム教では豚肉がタブーなのか?

これは、ムスリムの友人に聞くと、必ずといっていいくらい、「コーラン(聖典)で禁じられた食べ物だから、食べないんだ」という答えが返ってきます。

なぜ、コーランで豚肉を禁じているのか。本を読んだりムスリムの友人から聞いた話だと、諸説あるそうです。
例えば
1)豚はなんでも食べて、多産で節操のない交尾をする、貪欲かつ不浄な生き物だから
2)ひづめが割れていて食べ物を反すうする動物以外、食べてはいけないから(豚、馬、ロバなどは食べられない)
3)保存方法が確立していなかった昔は、豚肉の菌の繁殖の抑制ができなかったため食べなかった
など。いろいろな説があるようです。

「バレなきゃ食べるでしょ?」は、信者への侮辱

豚肉に対するムスリムの考えは、日本人には理解し難いことかもしれません。

以前、ある日本人が「豚肉も酒も、言わないでムスリムに食べさせればバレないでしょう?」「“郷に入っては郷に従え”っていうけれども、ムスリムって日本に来たら、ラマダン中でもご飯食べるんだよね?食べてもらわないと仕事上、困るんだけどな」など、あまりにも無知・無理解で相手を尊重する気持ちがない発言を聞いて、とても腹立たしく、悲しくなったことがあります。彼らは日本で活躍するエジプト出身のムスリムの力士・大砂嵐が、ラマダン中は日の出から日の入りまでの時間は断食して、場所に臨んでいることを知らないのでしょうか…?

豚肉やアルコールを摂取しないのは宗教上の問題であって、彼らの趣味や好みで食べないわけではありません。
日本人特有の“気合と根性”で、何とかできる問題ではありません。
無理矢理食べさせるようなことをすれば、神への冒涜(ぼうとく)、ムスリムへの侮辱と同じです。

もし、こんな調子で本当にムスリムを騙してアルコールや豚肉を食べさせて事実が明らかになった場合、一部の心無い日本人の行いで、日本人全員のイメージが悪くなるでしょう。
ましてやこれが企業との取引が絡んだ場合、最悪の場合、国際問題にも発展しかねません。

中には豚肉やアルコールを飲食するムスリムも…?

とはいえ、ムスリムだから絶対に豚肉やアルコールを口にしない、という訳ではありません。人によっては普段から豚肉は食べないけれどもアルコールは飲む人や、海外に行ったら豚肉もアルコールも飲食する、1日5回のお祈りも海外では「1回で1日分」という省エネタイプの人もいます。

例えば、海外移住者や旅行客が多いUAEでは、豚肉を購入出来たりアルコールを飲める場所が多少ありますが、戒律を厳格に守るサウジアラビアではアルコールを所持しているだけで逮捕されるなど、国によっても事情が大きく変わります。また、宗教警察の目の届かない範囲で、国よりも自分自身の意向を信条とする人など、いろいろな人が居ます。

まず、ムスリムと会ったら、何が食べられるか、食べられないものがあるかを聞き、彼らの意向に合ったハラルフード(イスラム教の戒律に則って処理・加工された食品)を提供するレストランを探して一緒に食事をしたら、喜んでもらえるでしょう。

現地の言語に興味を持つのと同じように、食文化にも興味を持って接すれば、人種や宗教を超えて友だちとしての距離がググッと縮まるかもしれません。

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