【聖地巡礼】北陸ご当地アニメの舞台を巡ってみた

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隠れた名作が多い北陸ご当地アニメ!
隠れた名作が多い北陸ご当地アニメ!

 近年、地方都市を舞台にしたご当地アニメが全国的なブームになっている。なかには『らき☆すた』(埼玉県久喜市・春日部市)、『けいおん!』(滋賀県豊郷町)、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(埼玉県秩父市)、『ガールズ&パンツァー』(茨城県大洗町)のようにアニメがヒットしたことで物語の舞台が聖地化。町おこしに繋がったケースも少なくない。

 実は、北陸もご当地アニメの多い土地として有名で、富山・石川・福井それぞれの県を舞台にした作品が存在。いずれも爆発的なヒットを記録したわけではないが、アニメファンの間では良作、名作としての評価も高い。作中で登場した場所を訪れるファンが後を絶たず、記者もそんな北陸ご当地アニメの舞台を巡ってみることに。

『true tears』の聖地では特別住民票がもらえる!

 まず向かったのは、2008年1~3月にテレビ放映された『true tears』の舞台になった富山県南砺市。男女5人の高校生の恋模様を描いた作品で、彼らが作中で利用したJR城端線の城端駅構内の観光案内所には特設コーナーを用意。ファンのために記帳ノートが用意され、出演声優や製作スタッフのサイン、ここでしかお目にかかれないポスターなどが展示されている。

 ちょうどポスターの前で記念撮影していた京都から来たという2人組の男子大学生は、「昔から大好きな作品で、いつか来たいと思っていました。念願が叶ってすごくうれしい!」とテンション高めにコメント。事前にアニメをチェックしていたせいか何気ない駅周辺の通りや交差点、スーパーにも「作品に出てきたところだ!」と思わず感動。先程の大学生の気持ちがよく分かる。

 ちなみに地元の南砺市も町ぐるみで作品に協力。市役所の隣にある「じょうはな座」では、同作のキャラクターがプリントされた特別住民票を通常の住民票交付手数料と同じ300円で発行してくれる。記者も来た思い出に作ってもらい、次なる聖地を目指して一路石川県へ。

『花咲くいろは』でてくる湯桶温泉の小さな温泉街

 訪れたのは金沢の奥座敷と呼ばれる湯桶温泉。ここは2011年4~9月に放映された『花咲くいろは』の舞台。作中では湯乃鷺温泉と別名だったが、温泉街の入口には通常の名前とは別に湯乃鷺のバージョンの停留所も用意されている。

 物語は祖母の経営する温泉旅館で仲居をしながら学校に通うヒロインが、従業員や友人との触れ合いを通じて成長するストーリー。舞台の湯桶温泉は、旅館や民宿合わせて10数軒の小さな温泉街だが、通りや店のあちこちにキャラクターのパネルが置かれ、店に入ればポスターが飾ってある。

 温泉街の奥には公共温泉浴場の白鷺の湯が朝7時から営業しており、受付では花咲くいろはのスタンプラリーの台紙がもらえる。そのため、聖地巡礼者は必ず立ち寄るスポットで、ついでにひと風呂浴びる人も多いとか。温泉街はそれほど大きくないため、ゆっくり温泉に浸かっても2~3時間あれば十分回れるはずだ。

『グラスリップ』は鉄道ファンにも人気の三国港駅

 そして、福井県は東尋坊のある三国町を舞台にした2014年7~9月放映の『グラスリップ』。実家がガラス工房というヒロインと「未来の声が聞ける」と語る転校生の少年が織りなすちょっと不思議な物語になっている。

 登下校シーンに登場するえちぜん鉄道の三国港駅のレトロな駅舎は、聖地巡礼のみならず鉄道ファンの間でも人気。さらに駅近くにあるめがね橋も物語に何度も登場する作品を語るうえでは欠かせない重要なスポットだ。

 さらに晴れた日には絶景の夕陽が眺められるサンセットビーチ、これまで地元の人しか訪れなかった白山神社も物語で主人公たちがよく訪れたことで聖地化。三国の町や海が一望でき、聖地巡礼のファンからも好評だ。

 以上の3作品は、すべてP.A.WORKSというアニメ制作会社によるもの。同社は先に紹介したtrue tearsの舞台でもある富山県南砺市に本社があり、他にもご当地色の強い作品を手掛けている。

 観光ガイドにはない魅力が描かれており、ガイドブック代わりにご当地アニメを観るのもアリかも。現地を訪れた際、普段の旅とは違う感動があるはずだ。

(取材・文・写真/高島昌俊)

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