kiss kiss kiss・・・『桜Trick』が示す舞台装置の重要性と視聴者を引き込む演出 (2/2ページ)

あにぶ

楓とゆずは、キスでつながる4人とは別の視点を視聴者に用意し、一方通行にならないよう物語の「交通整理」を行う役割を果たしていきます。そして、優の姉で高校の生徒会長である園田美月の春香への「片思い」の暴走が、このアニメのデウス・エクス・マキナ的な狂言回しを担い、飽きさせない作りへとストーリーを導きます。

■「日常系」の1つの完成系としての『桜Trick』

時に「美少女動物園」ともいわれている「日常系アニメ」ですが、女の子の何気ない生活を描くことで、ノンストレスの性的感情を排した作りで、昨今、男性視聴者を中心に人気が出ています。この作品は、共学校が舞台なので、男子生徒も存在するのですが、完全に背景以外の役割は与えられていません。そうした中で、ほかの作品との差別化としてカンフル剤の役割を果たしているのが女の子同士のキスです。日常系アニメのプロットを崩さず、ギリギリのスパイスとして役割を与えられた「キス」がどのようにして、キャラクターを魅力的にし、ストーリを色づけるのか、是非観ていただいて、その世界観を楽しんでいただければと思います。エ口ティックな印象は受けないと思いますよ。

【ニコニコ動画】桜Trick Trick1-A:「桜色のはじまり」/ Trick1-B:「やきそばとベランダと女の子」

(あにぶ編集部/リンドウ)

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